頻繁に塗替えるわけでない外壁塗装だからこそ、失敗したくないものです。
しかし、頻繁に行なわないからこそ、選び方も慣れていません。
この記事では、外壁塗装で失敗しないために、業者選び、見積り、工事中の3つのポイントに着目して、それぞれの注意点を解説します。
このページの目次
■外壁塗装で失敗しないための注意点とは
外壁塗装で失敗しないためには、全方向に気を配るのがベストです。
しかし、塗装に関する専門性に乏しい私たちは、そういうわけにはいきません。
そこでここでは、外壁塗装で失敗しないための3つの注意点をご紹介しましょう。
1.契約する前に外壁塗装の知識を身につけておこう
外壁塗装は、一度契約書を交わしてしまうと、あとでキャンセルするのは簡単ではありません。
確かに、外壁塗装の契約はクーリングオフの対象で、契約してから8日以内ならばキャンセルできます。
しかし、クーリングオフは時間も手間もかかるのが実情です。
- 良い業者に出会えること
- 契約まで安心してこぎつけられること
- 工事中のストレスが少ないこと
の3つのポイントで満足できれば、満足いく外壁塗装につながります。
2.外壁塗装の注意点は大きく分けて3種類
満足いく外壁塗装のために欠かせない3つのポイントは、そのまま外壁塗装の注意点につながります。
外壁塗装にはたくさんの注意点がありますが、
- 業者選び
- 見積もりチェック
- 工事中
に分けて考えると、混乱しません。
それぞれの注意点については、以下で詳しく解説します。
■業者選びの注意点
見積もりを依頼する前に、まずは業者選びです。
リフォーム業者が誠実かどうかを見分ける方法としては、以下の3点に注意して調べるといいでしょう。
1.自社施工かどうか
まずは、その業者が自社施工かどうかです。
自社施工とは、自社に工事スタッフ(または職人)が在籍しており、自社だけで工事が行える会社のことです。
「自社一貫施工」「職人集団」と名乗る業者もいます。
業者は大きく以下の3つに分かれますが、以下のような違いがあります。
業者の種類 | 特徴 |
塗装専門業者 | 塗装は基本的に自社施工
営業エリアは限定的 内装リフォーム工事などはしない |
リフォーム業者 | 総合リフォーム会社とも呼ばれる
樋工事、外装工事、雨漏り工事、屋根工事なども行なう 外壁塗装については、外壁塗装工事専門業者にお願いする場合も |
ハウスメーカー | 家の建売を行なう営業会社
外壁塗装は基本的に下請け業者におまかせ |
下請け業者を使うと、
- 中間マージンが発生する
- 営業担当と作業員で言うことが違う
- 打ち合わせで営業担当者に伝えたことが作業員に伝わっていない
などのトラブルが発生する可能性があります。
自社施工の業者を使えば、作業スタッフに直接相談できるので、このようなトラブルを回避できます。
2.施工実績の内容
業者選びにおいては、施工実績も重要です。
施工実績については、件数だけでなくその工事内容もしっかりと見ましょう。
件数は少ないものの、少数精鋭で丁寧な仕事をしてくれる業者もいます。
ただし、施工数がゼロ、または施工件数がよく分からない業者は、怪しいので対象外です。
施工例については、
- ビフォーアフター状態の写真(イメージがわきやすい)
- 施工中の様子(作業の丁寧さが分かる)
- 実際にかかった工事費用例(見積書例などを提示)
- どの塗料をなぜ使用したのか(瓦、屋根材、木部、鉄部分、サイディングとの相性など)
が掲載されているといいでしょう。
居住地と業者の中心施工エリアが近いと、色選びで悩んだときなどにすぐに色見本を持ってきてくれるなど、連絡がつきやすいです。
そのため、業者がどこを中心に営業しているかも重要です。
3.塗装にかかわる資格の有無
業者の中に、以下の資格を持ったスタッフがいると、より安心です。
- 塗装技能士(一級があれば安心)
- 足場作業主任者(足場業者に委託せずに自社スタッフで足場が架けられ、スケジュールの融通なども効く)
- 都道府県知事の工事許可証(なくても工事は行えるが、大きくて難しい現場を経験している業者である確率が高くなる)
外壁塗装は資格がなくても行なえますが、専門家の証である資格を持っていると安心です。
ホームページの「会社概要」の項目に、上記の資格が記載されていれば、安心できます。
■見積もりをチェックするときの注意点
見積もりは、初見では分からない業者の誠実さや信頼性が反映されている、貴重な資料です。
業者から提示された見積もりは、以下の4つのポイントをチェックしましょう。
1.価格が相場の範囲内であること
まず、見積り金額が相場の範囲内の適正料金であることです。
が壁塗装のみの工事であれば、30坪で約70万円~90万円、40坪ならば80万円~100万円程度が相場です。
相場の半額程度を見積もりで提示する業者は、以下のように、どこかで手抜き工事をする可能性があります。
- 塗料単価の安い水性塗料をさらに多くの水で薄める
- 足場を組まずに作業するなど安全性に問題がある
逆に、相場の倍以上の見積もりを提示する業者は、塗料単価の高いフッ素樹脂塗料をさらに高く見積もるなど、価格設定に問題がある可能性があります。
価格が高いからと言って、品質がグレードアップするとは限りません。
2.基本の工程が含まれていること
外壁塗装の見積もりでは、以下の基本的な作業手順が含まれていることも重要です。
- 足場仮設工事
- 高圧洗浄作業(目地のカビ落とし、汚れ落としなど)
- 下地処理(防水工事、シーリング材によるシーリング補修、コーキング工事、ケレン作業、外壁表面のひび割れ補修など)
- 養生
- 塗装(下塗り、中塗り、上塗り)
上記は全ての行程が外壁塗装工事にとって必要であり、省いてよいものは一つもありません。
費用を抑えるため、下塗り塗料を塗らずにシリコン塗料をいきなり塗ると、外壁表面と塗料との密着性が悪くなり、仕上げ塗料メーカーサイトに記載されている期待耐用年数まで保ちません。
足場代をケチったり高圧洗浄や下地処理をおろそかにしたりしても、塗膜の品質や耐久性は下がります。
見積もりを見る際には、見積りの項目がどの作業工程に該当するかを確認してください。
3.内訳まで記載されていること
そして、業者側から提示された見積書に、内訳までしっかりと記載されているかもチェックしましょう。
「塗装一式○○円」「その他工事△△円」などの一式見積もりでは、以下のようなデメリットがあります。
- 内訳が分からない
- 見えない部分で価格を吊り上げられている可能性がある
- 打ち合わせで行なった上塗り塗料選びと異なる塗料を使われる恐れがある(フッ素樹脂塗料→シリコン塗料などへの変更で、劣化状況は激しくなる)
- 他の業者の無料見積もりと比較できない
特に訪問販売業者は「お客様だけの特別値引き」と称して、現場調査もせずに事前に作成しておいたいい加減な見積書を提示する可能性が高いです。
一式見積もりを貰った際には、内訳も記載するように再見積もりを依頼しましょう。
再見積もりで詳細な見積書を提示する業者ならば、信頼性があります。
4.アフター保証の有無
工事完了後の予期せぬトラブルに備えて、優良業者はアフターメンテナンスを重視しています。
万が一トラブルが発生しても、アフター保証があればほとんどの業者は無料で追加工事をしてくれます。
アフター保証を受けるには保証書を発行してもらう必要がありますが、義務ではありません。
そのため、「保証書を発行しない=悪徳業者」とも限りません。
アフター保証では、以下の点をチェックしましょう。
- 保証期間の長さ(耐久年数の長さにもつながる)
- アフター点検の頻度
- 保証範囲
■工事中の注意点
見積もり時だけでなく、工事中でもトラブルに巻き込まれる可能性があります。
工事が始まってから「こんなはずじゃなかった」とならないよう、工事中の過ごし方についても業者と確認しておきましょう。
工事中に起こりがちなトラブルと、その解決方法を以下で紹介しましょう。
1.工事は約2週間
まずは工事期間です。
外壁塗装は最短でも9日、屋根塗装も含めると14日はかかります。
少数精鋭の自社施工業者は、人件費を抑えられて品質も良いのですが、作業性が良くないので工期が長くなりがちです。
さらに、雨や台風の時は作業ができず、旅行や出張にも行けません。
日程については、業者によく確認してください。
2.工事が屋内の過ごし方に影響する
外壁塗装工事中は、以下の制約が生じることがあります。
- 外壁塗装の工事作業中、建物が足場に囲まれ暗くなる
- 飛散防止のメッシュシートで風通しがやや悪くなる
- 作業員が敷地内を出入りする
- 窓が養生シートで覆われて換気できない
- 洗濯物を屋外に干せない
- 塗料の臭いが室内まで入ってくる
これらの制約は事前に分かるものばかりなので、しっかりと事前に確認しておきましょう。
その上で、洗濯物はレンタルの乾燥機で乾かす、実家に避難するなどの対策をとれます。
3.外出できないタイミングがある
外壁塗装は家の中に入らないので、施主がいなくても行なえますが、以下のタイミングで立ち合いを求められる可能性があります。
- 中間点検:塗装前に下地処理の結果を自分で確認
- 養生:施主の私物の移動、業者で動かしてもよいかの許可
- 完工確認:塗装完了後、立ち合いで確認
■おわりに
外壁塗装で失敗しないためには、業者選び、見積り、工事中の3つに注意しましょう。
業者選びは実績と自社施工を重視し、見積りは相場の範囲内で詳細に項目が記載されていることが重要です。
工事中は工期や生活上の制約でトラブルが起きやすいので、事前に確認しておきましょう。