このページの目次
現に今、家を持っている方の約3分の1以上の人が家の外壁にサイディングボードを選んでいます。
サイディングボードのリフォームを考える前に知っておきたいことをまとめましたので、確認しておきましょう。
サイディングボードは単にサイディングと言われたり、サイディング材と様々呼ばれることがあります。
そもそもサイディングボードって?
日本では元々、木製のサイディング(壁板)を利用して、家を建てていました。つまり塗料などを塗っていない、木そのままの家です。
今でも京都などの古い町並みでは見ることが出来ると思います。 ただ、それだけではあまりにも火に弱く、燃えやすかった、ということで出てきたのが塗り壁(モルタル)でした。
サイディングボードというのはその塗り壁とは全く違い、薄い板を家の周りにどんどん貼っていく工法です。サイディング(siding)とは英語で「壁板」を意味します。
モルタルは現場の人がわざわざ気候等を気にしながら、手作業で工事を行っていく必要があるのですが、サイディングの場合は、元々工場等で作ってから、現場でははめていくだけなので、現場での工事時間の短縮などを実現することが出来る、という事で、どんどんメジャーになってきています。
サイディングボードの種類は以下に書いていきます。
窯業系(ようぎょうけい)サイディング材
窯業系サイディングボードは、まずセメント質(コンクリート)を主にした原料を圧力をかけて成形したもので、成形時に形をつけることで、タイル地やレンガ地をはじめとした様々な模様をつけることが可能です。
ただ、出来たばかりの状態では、着色されていないのでコンクリート色です。そのため、後で塗装してあげる必要があります。
塗装する際の塗料等でその後のランニングコスト等ががらっと変わってきます。
窯業系サイディング材の場合、原料に繊維質のものを含んでおり、この繊維質の補強効果により、薄いサイディングボードであっても非常に高い強度を持つことが可能になりました。
もしサイディングボードを利用したいけれども、どの素材にしようか迷っている、という方は窯業系サイディング材にしておけば間違いないです。
メーカーには最大手のニチハの他に、ケイミュー、旭トステム外装などがあります。ちなみに「ぱっとさいでりあ~」というCMで有名だった新興産業は倒産してしまいましたが、外装材「さいでりあ」自体は別会社に譲渡され、今でも存在します。
窯業系サイディングボードが劣化した際の補修のサイン
発売開始当初は「半永久的に貼り替えがいらない」と売り出されたサイディングですが、実際は経年劣化するので定期的なメンテナンスや補修が必要です。ここではサイディングの主な劣化についてご紹介します。
クラック(ひび割れ)
よくあるサイディングの劣化の一つが、クラックです。クラックとはひび割れのことです。
サイディングボードを固定しているビスと呼ばれる釘の部分や、ボードとボードのつなぎ目部分からひびが入ったり、雨水などを吸水して伸縮してひび割れてしまう事もあります。
ヘアークラックと呼ばれる髪の毛のように細いひびであれば緊急性はありませんが、幅0.3mm以上の「構造クラック」というクラックは、サイディングボードを貫通して下地までひび割れている危険性があるため、早急に補修が必要です。
クラックを放置しているとひびから水が浸入してしまいますし、寒い地域ではひびに進入した水が凍って体積が大きくなり、サイディングボードが割れてしまう危険性もあります。
反り
クラックに次いで多いのが反りです。そして反りの原因で最も多いのが、劣化による防水性の低下によるものです。
7~8年経つと塗膜の防水性が低下し、目地を埋めているコーキングにも隙間ができてしまいます。そうなるとサイディングボード自体が水を吸収してしまいます。水を吸って湿ったボードは表面から乾いていき、乾いた表面と湿った内部でひずみが生じて反っていってしまうのです。
少しの反りでしたら釘で打ち付けて補修できますが、反りが大きいと釘を打った際に割れてしまうこともありますので、貼り替えが必要です。サイディングの場合は一枚から貼り替えが可能ですので、塗装業者の方に同じサイディングボードを使用できるか確認してみましょう。
チョーキング
サイディングの表面を指でスーッとなぞってみて、チョークの粉のような白い粉がつく現象の事をチョーキングと呼びます。
これは塗膜表面が劣化したサインで、防水効果も低下しています。防水効果が低下すると上記のようにクラックに繋がりますので、塗り替えをおすすめします。
カビ・藻
浴室など、水回り周辺の外壁や日当たりが良くない場所の外壁によく見られます。カビや藻はやはり美観を損ねますので、発見したらホースで水洗いするか、濡れた雑巾で拭き取りましょう。洗剤を使用すると塗り替えをする際に洗剤の成分のせいで塗料本来の効果を発揮できない場合がありますので、洗剤は使用しないでください。
カビや藻は、普段からのメンテナンスが必要です。
汚れてきたと感じたらホースで水洗いする、鳥の糞などの汚れは濡れた雑巾できれいに拭き取る、凹凸があり拭きにくい場合は柔らかい歯ブラシなどで手入れするなど、普段のメンテナンスがサイディングを長持ちさせます。
窯業系サイディングボードのリフォーム工法と価格の違いについて
窯業系サイディングボードのリフォーム方法はいくつかあり、わかりやすく言えばどの程度まで取っ替えるか、という事になります。劣化の具合や予算に応じて行います。
1.貼り替え
最も高額になるリフォームです。今現在塗り壁の方が窯業系サイディングボードに替える場合もこちらになります。
相場としては100万~200万円ほどです。
※今ある、サイディングボードの上からあたらしいサイディングボードを貼り付ける、という工法もありますが、劣化したボードの上から貼るという工法なので基本的にはおすすめできません。
家自体に負担がかかりますし、内側から劣化して行ってしまいます。はがす人件費が浮く、というメリットぐらいしかなく、デメリットが非常に多いので、張り替えの場合は、元のものをはがした方が良いでしょう。
2.塗料の塗り直し
すでに窯業系サイディングボードを利用している方で、表面上の塗料を塗り替えるリフォーム方法です。
貼り替えよりも安価ですが、足場等くむ必要があるので、手間もお金もそれなりにかかってしまいます。 こちらは塗る塗装のグレードによって価格が異なってきますが、相場は80万~150万円ほどです。
3.コーキング(シーリング)の打ち替え補修
最も劣化しやすい、窯業サイディングボードのつなぎ目であるコーキング部分を一度はがし、新しいものをつけ直します。
サイディングボード自体の張り直し等はありませんので、比較的安く抑えることが可能です。
打ち増しと呼ばれる「今あるコーキングの上から新たにコーキングを施す工法」と打ち替えと呼ばれる「今あるコーキングを完全にはがして、新たにコーキングを施す工法」の二種類がありますが、古いものにふたをするような打ち増しはおすすめできません。
こちらも中から劣化し、後々高くつく可能性が高いです。
こちらも足場台は必要になってくるので、全体的には15万~30万円ほど必要です。
金属サイディング材
コンクリートではなく、金属をメインの材料としているので、窯業系などに比べて軽いのが特徴です。ボード全体としては、金属に補助的な断熱材を取り付けたものです。
安価に導入できるので、リフォーム向きのサイディングボードといえます。 金属を打ち出しただけの模様となるので、あまり複雑な模様を表現することは出来ません。
レンガ風とか、タイル風などの模様には不向きで、でこぼこも少ないため、デザインによっては軽い印象になってしまいます。 数十年して劣化してくると白サビと呼ばれる白い細かな粒が出てきます。
ガルバリウム鋼板(こうはん)とは
アルミと亜鉛、シリコンをベースにした有名な金属サイディング材です。有名な外装材なので、別ページで解説します。
樹脂系サイディング材
日本ではまだあまり普及していないタイプのサイディングボードです。
樹脂は主に塩化ビニル樹脂で出来ているので、塩ビ系サイディング材とも言われます。
プラスチックと同じように石油を原料としているので、錆びない、腐らないという事はもちろん、長寿命かつ不燃性という特徴もあります。
水が入らない疎水性という性質なので、凍結による劣化や破損の心配がありません。 そしてなんと言ってもプラスチックのようなものなので軽いです。
価格相場としては、まだ一般的ではないので高めですが、コーキングが不要、色落ちしないなど、手入れが少なくて済む、という点では、トータルコストは安く住ませられるかもしれません。
樹脂系サイディング材のデメリットとしては、デザインが少ない、石油系なので環境へのイメージが悪い、価格が高い、などです。
木質系サイディング材
天然の木を利用しているため、風合いが良く、メンテナンス次第で非常に長く使うことが出来ます。
ただ、メンテナンスを怠ったり、劣悪な環境だったりすると、腐ってしまったり、悪くなってしまう場合があります。
水に弱いので、注意が必要ですが、水に強い塗料などで覆ってしまうと、木質系サイディングの良さが損なわれてしまいます。 定期的なメンテナンスを欠かさないようにしましょう。
また木は生きているので、変形等ももちろん起こります。そのあたり、かなり専門的な知識をもった塗装店にしか出来ませんので、業者の選出には木を受けましょう。
窯業系と金属系はどちらが良い?
サイディングボードを選ぶ上で、迷う人が多いのが窯業系と金属系のどちらのサイディングボードを使うべきか、という事です。
まず、窯業系はコンクリートベースで成型が容易な為、様々なデザインがあり、現にほとんどの人が窯業系でデザイン重視で選んでいます。
ただ、デザインだけでは決められないので、それぞれのメリットデメリットを見て行きましょう。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 窯業系 | ・金属系に比べると価格が安い ・デザインが非常に豊富で、タイル調、レンガ調などの凹凸のあるデザインも可能 | ・金属系に比べて重い為、地震に弱く、家に負荷をかける。 ・コンクリートベースのため、経年劣化によるクラック(ひび割れ)などを起こす場合がある ・つなぎ目部分のシーリングが劣化してしまう ・10年ほどで塗り替えが必要 |
| 金属系 | ・窯業系に比べて非常に軽いため、地震に強く、家に負荷をかけにくい。 ・塗り替えが不要、もしくはほとんど必要ない | ・デザインが少ない上、金属打ち出しなので凹凸の表現力が弱い。軽い感じ。 ・価格が高く、窯業系の1.5倍~2倍ほどの価格になる |
モルタル(塗り壁)とサイディングボード徹底比較
もちろん好みの問題もありますし、それぞれにメリット、デメリットが存在します。 ここではだいたいの両者の比較を行っていきたいと思います。
デザイン(意匠性)
モルタルの塗りは現場で手作業で行うため、波形や、扇形など、様々な模様を表現することが可能です。
飽きが来ないデザイン、味があるデザインが可能です。ただし単色である事が多いです。
対してサイディングは、工場で生産したものを持ってきてはめるだけなので現場での調和は難しいですが、すべて安定した模様である事、そしてレンガ調やタイル調など、モルタルでは表現できないデザインを実現できます。
価格
サイディングの方が高いです。選ぶ塗料、選ぶ材料によって変わってきますが、足場、人件費、材料費合わせた金額はサイディングの方が高額となります。
しかし、10年で塗り替えのモルタルと違って、サイディングは10年後、コーキング打ち替えで済む場合もあるので、長期的なコストはサイディングの方が安く済む場合があります。
耐久性
モルタルの場合、どこかに必ずクラック(ひび割れ)が生じると言われています。もちろん塗り立て時は問題ありませんが、経年劣化でひびが入ることはモルタルの運命ともいえます。
対して、サイディングボードはボード自体はあまり劣化しません。
ですが、窯業系の場合、コーキング部分が劣化しますし、経年劣化による変化というのはどうしても起こってしまいます。
外装工事に関して
モルタルはすべて現場で作業を行うので、その分工期は長めに設定されています。そして、塗り作業なので、現場作業員の サイディングは工場で製造したものを現場ではめていくので、工期はモルタルに比べて短めです。
リフォームのしやすさ
モルタルは、10年~20年の塗料の耐用年数ごとに完全に塗り替えとなるので、費用がかさみます。
サイディングはコーキングの打ち替え程度なら費用は抑えられますが、ボード全体が劣化した際は張り替えが必要になるので、その際はリフォーム費用が高額になります。
モルタルからサイディングボードへのリフォームについて
モルタルからサイディングに変更する時の施工方法には二種類あります。
希望がなければ貼り替えが無難です。
貼り替え
元のモルタル壁をはがしてしまってから、サイディングボードを貼っていくという工法です。
もちろんはがすための工事費用は余計にかかってしまいますが、間違いなくこちらの方が安全性が高く、結果として家が長持ちします。
重ね塗り
元々のモルタル壁を下地として利用して、その上からサイディングボードを貼っていく工法です。
元々のモルタル壁がもちろん劣化している状態で上から貼り付けるということなので、安全性という観点からかなり疑問が残る工法です。
見た目がサイディングできれいになったとしても、内側がどんどん劣化していき、腐ってしまったり、強度的に問題がある可能性があります。
