家の外壁は10年に一度は塗り替えを行わないといけませんが、はじめて外壁塗装工事を依頼する方にとっては、どこに依頼すべきかが悩みの種になることもあるかと思います。

そこで、外壁塗装工事を依頼するにあたって何を注意して業者を選択するかについて紹介していきたいと思います。

■外壁塗装工事は選んだ業者で結果が変わる

外壁塗装が上手くいくか否かはどこの業者に依頼するかで決まると言っても過言ではありません。

なぜなら外壁塗装を行う業者の中には悪質業者も一定数存在していて、そのような業者に依頼してしまうと費用がかかるだけではなく工事の目的を達成できない可能性もあるからです。

悪質業者に依頼してしまわないためにも、まずはどのような外壁塗装の会社があるかについて紹介していきたいと思います。

1.優良業者を選んだ場合

当然の話にはなりますが、優良業者に依頼すると外壁工事は上手くいきます。

優良業者は工程を守って正しい方法で施工してくれるため施工不良が起きにくく、相場価格で施工してくれる業者のことを指していて、施主の悩みに即したプランを考えてくれる上に工事後も様子を確認してくれるため希望通りのリフォームが行いやすいメリットがあります。

2.悪質業者だった場合

悪質業者は、工程を怠って手抜き工事を行うだけでなく、利益を優先して必要のない作業を無理やり追加するような業者の事を指します。

また、相場以上の価格で見積もりを作ったり、工事保証を発行せずアフターフォローをしてくれなかったりと施主をないがしろにする傾向があります。

3.なぜ外壁塗装には悪質業者がいるのか

外壁塗装の業者に悪質業者がいる理由の1つに、外壁塗装の工事費用には定価というものが存在しないことが挙げられます。

住宅の規模や使用する材料によって価格が変動するため、1戸の住宅にかかる費用を単純に算定することはできません。

そのため外壁塗装工事をする際は、現場ごとに価格が変動し内訳も変わってきます。

この内訳が非常にわかりにくく、業者に提示された金額を鵜呑みにする人が多いため悪質業者が金額を水増ししやすい環境があります。

 

外壁塗装の工事費用に定価が無いとはいうものの、同じ規模で同じような材料を使用した場合のだいたいの価格は決まってきます。

この平均的な価格のことを「相場価格」と言いますが、これを知らない人が非常に多いことも悪質業者が幅を利かす原因になっています。

「相場価格」を知っていると、仮に業者から不当な金額を提示されても反論できるのですが、「相場価格」を知っている人が少ない為悪質業者は平気で価格設定を上げてくるのです。

 

外壁塗装の業者に悪質業者が存在する理由のもう1つに、工事直後は手抜き工事が行われたかどうかを素人では判断しにくいという点が挙がられます。

表面の塗装が綺麗に出来ていれば一見手抜きがないように見えますが、塗装工事で重要になるのは、下塗りや中塗りといった表面には出てこない工程です。

この工程で手抜きが行われと耐用年数が短くなり、すぐに劣化してしまいます。

手抜き工事が行われていても工事完成後すぐには気づけず後から問題が発覚するパターンが多いですが、悪質業者は言葉巧みに言い逃れをするので結局泣き寝入りせざるを得ない状況に陥り悪質業者は後を絶ちません。

■外壁塗装業者は3タイプ

悪質業者に依頼してしまわないためにも、外壁塗装業者にどのような種類があるかを理解することが非常に重要です。

外壁塗装を頼める業者には「塗装専門店」「リフォーム専門店」「ハウスメーカー」の3種類がありますが、それぞれメリット・デメリットや特徴が異なりますので紹介していきたいと思います。

1.塗装専門店

まずは塗装専門店についてですが、塗装専門店とは塗装工事のみを行う業者であり、雨漏り補修やシーリングの打ち替えなど外壁・屋根に付随する諸工事も手掛けている所が多い傾向にあります。

塗装専門店は、専門性が高く下請け業者使わないところが多いことがメリットとして挙げられます。

自社で職人を抱え品質にこだわりを持っている業者が多いので信用できますし、下請けに出さないことで中間マージンなどの不要な経費が発生することも少なく価格が安定していることが特徴です。

ただし規模が小さい会社が多く、少人数精鋭で営業を行っているので予約が取りづらいデメリットがあります。

2.リフォーム専門店

次にリフォーム専門店ですが、リフォーム専門店とは塗装だけでなく、キッチンやお風呂の交換といった水回りリフォームや、壁や床の張替えといった内装リフォーム、門まわりや庭などのエクステリア工事など、家に関するリフォームすべてを請け負う業者のことです。

工事部門を持つ会社と持たない会社があり、持たない会社に依頼すると中間マージンが膨れやすい点に注意が必要です。

リフォーム専門店は塗装以外のリフォームも依頼できるので複数のリフォームを同時に行う場合は非常に便利ですが、下請け業者を雇うことが多く特定の工事のスペシャリストでは無いので、外壁塗装だけの事を考えると塗装専門店に依頼した方が品質は高くなる可能性が高いです。

リフォーム専門店はあくまでリフォームの窓口であって、そこから各工事のスペシャリストに依頼するケースが多いと言えます。

3.ハウスメーカー

新築がメインのハウスメーカーも、施工後のアフターケアの一環として外壁塗装を行うことがありますが、工事部門を持たないため工事は下請け業者が行い、中間マージンが発生します。

そのため施工価格は3タイプの外壁塗装業者中で最も高くなる傾向にあります。

独自の保証ルールが存在するため、メーカー指定以外の工法・部材を使うと保証がなくなるなど融通が利かない点があります。

ただし新築時に家を建てたメーカーであれば家のことを基礎から知っているので、家に即したリフォームをしてもらえるという点では安心できると言えます。

また、ハウスメーカーは知名度があるので悪質な工事を行う可能性が極めて低く安心して依頼することができるというメリットもあります。

■失敗しない外壁塗装業者の選び方

最後に業者選びのポイントを3点解説したいと思います。

1.見積もりを取って複数業者を比較する

よい業者を選ぶためには複数業者から見積もりを取って比較検討し、価格や工事内容の妥当性を検証することが大切です。

複数業者を比較するときにはいくつかのポイントがありますので紹介していきたいと思います。

●接客態度

  • 専門用語をわかりやすく説明してくれる

専門用語を使った分かりにくい工事の説明を行う業者が存在しますが、お客さんに理解して貰ってから契約してもらおうと考えていないような業者は信用できません。

わかりやすく説明しないという事は何かを隠そうとしている可能性もあるので要注意です。

  • 施主目線でプランを考えてくれる

商売を行っている以上利益率の良い仕事もあれば、そうでない仕事もあります。

業者側の都合に合わせたプランは利益率も高くなりますが、そのようなプランを提示する業者は避けた方が無難です。

  • 契約を焦らせない

契約を焦らせてくる業者は多数存在しますが、外壁塗装は高額ですのでしっかり吟味する必要があります。

考えたり比較検討したりする時間を確保して貰えるかどうかは優良な業者かどうかを見極めるポイントになります。

  • 過去の顧客や他の業者を悪く言わない

他の業者を悪く言う場合は自分の店に自信がないことがほとんどですし、過去の顧客を悪くいう業者はお客さんを大切にしていない証拠ですので避けるべきです。

●専門性

  • 素人が聞いても専門用語をわかりやすく解説してくれる

他人に説明できるということは自分がよく分かっていないとできませんので、わかりやすく説明できるということは専門性が高いと言うことができます。

  • 外壁に即したプランを構築してくれる(理由も説明してくれる)

外壁の特徴は素材や劣化状況によって様々ですから当然プランは変わってきます。

提案されたプランが何故自分の家の外壁に合っているのかの説明は必ず聞いてください。

  • 質問にすぐ答えてくれる(わからなければ調べてくれる)

業者の説明を聞くだけでなく質問することで、その会社の技術力の高さを知ることができるのでおすすめです。

●価格

  • 一社だけ飛びぬけて高くないこと

相場感の無い素人を対象に高額な見積もりを出す業者が存在しますが、比較検討をすると異常性がすぐに見抜けます。

  • 安すぎる業者は手抜き工事や高額な追加工事の危険性あり

安いには理由がありますので比較検討して安すぎる業者には依頼しない方が無難です。

  • 見積もりは項目ごとに金額を記載していること(一式など詳細がわからない見積もりを作らないこと)

合計額しか記載のない見積もりはしっかりと査定をしていない可能性がありますので、項目が記載されているかどうかの確認は必ず行う必要があります。

2.下請け業者を使っていない

業者選びのポイントの2つ目は、下請け業者を使っていない会社に依頼することです。

下請け業者を使うと中間マージンが上乗せされて工事価格が割高になるだけでなく、元請け業者(下請け業者を雇う側)の目が届かない所で手抜き工事が行われる恐れがあります。

手抜き工事が行われる事例として、施工管理者が不在のまま工程管理を行わなかったり、元請けから工事費用を十分にもらっておらず部材を過剰に節約したりする場合が挙げられますが、これは下請け業者を使わずに自社で責任をもって工事を行う業者に依頼することで防止することができます。

3.自分で納得した業者を選ぶ

「業界ナンバーワン」や「○○ランキング1位」といった根拠が不明な広告を行う業者も要注意です。

評価を鵜呑みにせず、見積もりの内容や打ち合わせの雰囲気から納得できる業者を選ぶことが大切です。

 

また、信頼できる知人から紹介された業者であっても自分たちと相性のよい業者とは限らないので注意が必要になります。

会社によって工事に得意不得意があるので、知人の家の工事が上手くいっても、自分の家の工事が上手くいくとは限りません。

紹介してもらった会社がもし嫌な業者だった場合、知人に遠慮して注意しにくくなるなどデメリットも多いので、業者は自分で探すことをおすすめしますし、紹介されても即決せずに他社と比較することが大切です。

■おわりに

外壁工事を依頼する業者を選ぶ際のポイントをいくつか紹介してきましたが、何といっても複数社に見積もり依頼を出しじっくり説明を聞いた上で比較検討することが一番大切になってきます。

外壁塗装の工事は高額ですから知人の紹介だからという理由ではなく自分の家の外壁工事にあった業者を選ぶことが重要です。