外壁塗装の塗装工事の内訳について

gurahu外壁塗装は時には100万円以上もかかる高額なものですが、その料金の内訳というものを参考程度に知っておいても良いと思います。もちろん外壁塗装の業者によって様々だとは思いますが、おおよそは次のような感じです。

外壁塗装業者の経営費・・・・30%

外壁塗装職人の人件費・・・・30%

塗料・養生資材代・・・・・・20%

足場代・・・・・・・・・・・20%

※足場というのは高い所なども塗りやすくするために組み立てる足場の事で、外壁塗装業者が時前で持っている場合、リースの場合などで多少料金は変わってきます。

外壁塗装工事の費用相場

下の図は、一般的な2階建ての一戸建ての外壁塗装工事の費用相場を建坪別で表した料金表です。高圧洗浄代、下地処理代、下塗りのシーラー塗料代なども含まれています。

塗料は一般的によく使用されているシリコン樹脂塗料、耐久性が高いフッ素塗料、そして今現在最も高級といえる光触媒塗料の3つを比較します。今回は期待耐用年数の短いアクリル樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料、そして塗料業者のオリジナル塗料やサイディングは比較しません。

あくまでも相場ですので、同じ建坪でも外壁の状態や使用塗料などによって金額は変わりますのでご注意ください。自分の家の正確な見積もり額を知りたいという方は、まずは無料の一括見積もりをしてみましょう。

建坪15~30坪

塗料の種類 シリコン系塗料 フッ素系塗料 光触媒塗料など
外壁塗装 27万~54万円 33万~66万円 33万~75万円
屋根塗装 10万~21万円 16万~33万円 16万~42万円
仮設足場 6万~12万円 6万~12万円 6万~12万円
合計 43万~87万円 55万~110万円 55万~129万円

建坪31~45坪

塗料の種類 シリコン系塗料 フッ素系塗料 光触媒塗料など
外壁塗装 56万~81万円 68万~99万円 68万~112万
屋根塗装 22万~31万円 34万~49万円 34万~63万
仮設足場 12万~18万円 12万~18万円 12万~18万
合計 90万~130万円 114万~166万円 114万~193万円

建坪46~60坪

塗料の種類 シリコン系塗料 フッ素系塗料 光触媒塗料など
外壁塗装 83万~110万円 101万~134万円 101万~152万円
屋根塗装 32万~43万円 51万~67万円 51万~85万円
仮設足場 18万~24万円 18万~24万円 18万~24万円
合計 133万~177万円 170万~225万円 170万~261万円

 

上の3つの表は15坪刻みですので、次に日本国内の一戸建住宅の平均である建坪40坪の費用相場を見てみましょう。

建坪40坪

塗料の種類 シリコン系塗料 フッ素系塗料 光触媒塗料など
外壁塗装 70万~80万円 85万~100万円 95万~110万円
屋根塗装 25万~30万円 45万~50万円 45万~65万円
仮設足場 18万~24万円 18万~24万円 18万~24万円
合計 113万~134万円 148万~174万円 158万~199万円

建坪40坪の一戸建て住宅でしたら、金額に幅はありますが約120万~200万円が施工費用の相場といえるでしょう。

 

上記の金額はあくまでも目安です。外壁の状態や使う塗料、工事を依頼する業者によっては上記の金額の半額程度で工事することもできます。

例えば、フッ素塗料よりもアクリル塗料、油性塗料よりも水性塗料を使用した方が確実に安いです。

さらに、ハウスメーカーに工事を依頼しても実際に施工するのは下請業者ですから、仲介料が発生しどうしても施工金額が高くなります。しかし、塗装店に依頼すると中間マージンが必要ありませんので、その分安く済ませられます。ただし、個人経営している塗装業者には手抜き業者も多いのが事実で、ハウスメーカーに比べると施工実績も少ないですし安心感も劣ります。

色々な業者を比較して、費用だけでなく保証期間、対応の良さ、施工期間など全て見て納得した業者を選びましょう。

建坪と延べ床面積の違い

坪表記と平米表記でピンとこないという方も多く混同されがちですが、建坪と延べ床面積は違います。

まず建坪とは、分かりやすく言えば上空から家を見下ろしたイメージです。1階と2階の床面積の大きい方がその家の建坪になります。

一方延べ床面積とは、1階と2階の床面積を合計したものです。3階建てだと1、2,3階の床面積を合わせたものですね。

外壁塗装工事の際は延べ床面積で工事費用を計算することが多いので、一括見積もりなどに申し込む際はあらかじめ家の延べ床面積を調べておきましょう。

同じ延べ床面積でも費用が違う?

mensekihikaku上の図を見てください。どちらも延べ床面積は同じです。

外壁塗装面積の計算方法は家の外周×高さ-開口部面積(窓など)です。

 

今回は分かりやすくするため、開口面積を0とします。そして高さを2.5mとします。

まずAの場合は(20+20+20+20)×2.5=200㎡

そしてBは(10+10+10+10+10+10+10+30)×2.5=250㎡

 

同じ延べ床面積でも、家の形が違うと外壁塗装面積は50㎡も違うのです。

高いのか安いのか分からない

かんがえる女性例えばあなたがトマトを買うとしましょう。

いつも行くスーパーでは1個100円なのに、今日初めて行ったスーパーでは85円だった。買い慣れているトマトなら、85円が安いかどうかはすぐに判断できるはずです。

しかし、外壁塗装はどうでしょう。

これまでに経験した事が無いので、一体いくらが相場なのか分かりません。見積りを出してもらっても、高いと感じるけどこれが相場なのかもしれない。消費者である立場からすると、あまりにも安すぎたら手抜き工事をされるかも…ということが心配なものですよね。

他の家の工事代金をインターネットで見ても自分の家とは大きさも異なるので参考にならず、困ってしまいます。

外壁塗装には定価が無い

スーツの作業員そもそも、なぜ外壁塗装工事には価格差があるのでしょうか?

それは、外壁塗装を含む建築業界には定価が無いからです。業者がそれぞれ価格を決めているので価格がばらばらなのです。

それが例えばトマトのようにしょっちゅう買うものでしたら高いか安いか判断できますが、一生で数回しか経験しない外壁塗装リフォームの場合は、依頼主はその価格が適正価格かどうか分からないため悩んでしまうのです。

そのような不安を解消するためには、複数の業者に見積もりを依頼して、見積額を比較するのがおすすめです。いくつかの業者の見積額を比べることで、大体の相場が見えてくるはずです。

また、見積り価格を比較することができます。見積書をもらったら、その工事項目などにも注目しましょう。注意したいポイントは、下記のような項目です。

足場工事をしてくれるか

最近では「足場なし」という格安な外壁塗装工事もありますが、高所での作業になる塗装工事には欠かせないものです。作業員の安全面の確保をすることは仕上がりの満足度にも繋がります。また、周囲に塗料が飛び散らないための飛散防止ネットも見積もりに含まれているかもチェックしたいところです。塗り方にもよって飛散状況が変わりますが、小さな飛び散りが自動車や近隣住宅へ飛び散るとトラブルのもとにもなります。

高圧水洗浄で汚れを除去し、下地調整で塗る前の作業を怠っていないか

高圧洗浄で塗装前の下地を綺麗にしていくことは大切です。また、外壁のつなぎ目が劣化している場合には、隙間を塞ぎ水分の侵入を防ぐシーリング工事の項目も大切です。

三度塗りをきちんと行ってくれるか

下塗り、中塗り、上塗りの三度の塗装でしっかりとした耐久性のよい外壁に仕上がります。下塗りは、上塗りを密着させる働きをします。下塗り用の塗料と上塗り用の塗料は違うので、見積書塗料を見るとそれぞれ単価の違う塗料が記載されているかと思います。

付帯部分の塗装をしてくれるか

外壁と一緒に塗装を行うことが一般的な付帯部には、軒天、雨樋、雨戸、戸袋などがあります。外壁だけ綺麗になっても付帯部分が劣化したままだと、美観を損ないます。また、ケレン作業という項目もチェックしましょう。古い塗膜やサビを除去して、新しく塗る塗料の塗料面への密着性を高くする作業です。

 

ただ、リフォーム業者や外壁塗装専門会社などどこに頼めばいいかも分からないこともあります。また、その都度見積りをしてもらうのは面倒と思ってしまうかもしれません。そこでおすすめなのは、一括見積りです。

足場代無料にも注意

外壁塗装工事の見積書を見ると、見積り金額が高く、依頼しようかどうかを迷ってしまうこともあるでしょう。そこで注意したいのは、足場無料という工事内容です。

複数社から見積書をとると分かりますが工事内容の項目に「足場設置費用」というものがあるのが一般的です。最近では「足場無料」と謳う業者も見られますが、「無料」ということでお得な感じを出しつつも、実はそれ以外の部分を高めに設定していることもあります。

 

また、足場をそもそも設置しないという「足場なし」という塗装工事を提案してくる業者もいます。

家の大きさによって足場面積が異なるものですが、一般的には数十万円という足場工事代は結構高いので、合計金額がだいぶ値引きされお得な感じがしますが、足場設置は実は外壁塗装においてとても重要なものです。

外壁塗装をする時には、1階部分だけでなく2階部分の外壁、屋根リフォームをするという方も多いです。高所作業になるため、安全性の確保が大事なことです。

塗料で価格が大きく変わってくる

高い見積書を見る女性外壁塗装の価格差の原因のひとつが、塗料の違いです。塗料の種類によって外壁塗装の寿命も変わるので、値段も倍以上変わることがあるのです。

依頼する方のニーズに合わせて使用する塗料も変わるので、外壁塗装の料金は、同じ面積の家でも全然違う場合もあるのです。

そこで見積塗料のチェックも重要になってきます。

一般的に、大手塗料メーカーが販売している塗料には、アクリル系塗料・ウレタン系塗料・シリコン系塗料・ラジカル系塗料・フッ素系塗料・遮断熱塗料などがあります。最近では断熱効果にも注目した特殊塗料も出てきています。

それぞれのグレードによって価格が違うのはもちろんですが、同じ系統の塗料であっても価格に幅があります。例えば、多くの住宅の塗装で使われているシリコン系塗料の中でも、水性シリコンや溶剤シリコンと種類があります。水で溶かした塗料である「水性塗料」、シンナーといった溶剤で溶かした塗料の「溶剤塗料」があり、臭い、価格、耐久性などのメリットやデメリットがそれぞれにあります。どちらがよいかについては、金額だけでなく自身の住宅の特徴を総合的に考えていくといいでしょう。

セラミック系塗料などもよく耳にする塗料です。ただし注意したい点は「セラミック塗料」はあくまでも成分にセラミックが入っているということです。アクリル系塗料・ウレタン塗料・シリコン塗料など、塗料ごとのグレードの分類のひとつと思われがちですが、それぞれに「セラミック」という成分が入っていると理解しておくといいいかもしれません。さらに防水塗料なども同様です。防水塗料というグレードがあるのではなく、防水機能のある塗料ということです。

塗料別に塗料表面が建物にもたらす機能が異なります。価格表記を見ていると分かりますが、基本的には劣化が遅く耐久年数が長い機能性のある塗料は設計価格が高めなのが特徴です。遮音性が高い、耐久性が高い、など高機能な塗料を使うと、塗料代も上がり、工事費用の合計価格が200万円以上かかる場合もあります。

日本ペイント株式会社など、塗料メーカーのホームページには塗料の単価が書かれている価格料金表が記載されていますから、見積もり書で塗料名を確認し、価格表を見てみると大体の相場が分かるでしょう。

それぞれの家で坪数は違うので、設計価格表などで確認した塗料ごとの価格に、見積書に記載されている平米数をかけてみると高いのか安いのかの判断材料になります。見積塗料を見る時には、メーカー名や塗料名の記載がしてあるのが理想的な見積書です。

外壁塗装工事には塗料の専門的な知識が必要です。そのため、詐欺まがいの業者が存在することも事実です。質が悪い塗料を使っているのにも関わらず高い料金を請求したり、手抜き工事を行う悪質な業者もいます。

また、「機能性が高い」ということを前面にアピールし、業者オリジナル塗料を勧めてくることもあります。これはメーカー塗料とは何が違うのでしょうか。「オリジナル」という言葉がついているので、業者が独自で製造したと勘違いしてしまいそうですが、実際に作っているのは塗料メーカーです。悪徳業者になると、かなり安い塗料の缶を購入し、ラベルを貼り換えたものを「性能のよい自社で開発したオリジナル」と謳って客に勧めるというケースもあります。

オリジナル塗料と言われると、一般的な塗料メーカーのホームページを参考にして、価格例をチェックすることもできません。しかし、メーカーに記載しているものよりも安価だと「お得」だと勘違いしてしまいます。それで施工してしまった結果、多額のお金をかけたのに内容的には劣化の早い塗料で数年後に塗装が剥げてしまった・・・という事例もあるので要注意です。

実は私も悪い業者に騙されるところでした。不安に思う場合などは、良心的な第三機関(一括見積もりサイトの運営元)などに質問してみるのがいいと思います。私の時は専門家が親切に回答してくれました。

訪問販売業者は注意が必要?

訪問販売という言葉は多くの方がご存知ではないでしょうか。家に居ながら、業者の方から販売にやってきてくれて便利な気がする反面、望んでいないタイミングでやってくるので迷惑な感じがする場合もあるでしょう。訪問販売は物品の販売だけでなく、外壁塗装工事などの「工事」も販売してきます。

ただ、外壁塗装工事の場合、訪問販売業者は気をつけるべき理由があります。

訪問販売業者は突然やってきます。外から外壁の様子を眺めて、外壁の塗装が必要そうなお宅を狙って声をかけてくるものです。当然、お客さんの方は「塗装」を検討していた訳ではないでしょう。そのため、すぐさま断ってもいいのですが、こうした訪問販売業者の営業担当者は営業トークがとても上手いです。「話だけでも」と言われると聞いてみてしまう方もいるかもしれません。

まず、無料で現地調査をしましょうと提案してきます。外壁や屋根というものは、普段なかなかチェックしているものではないので「見積り費用が無料なら・・・」とお願いしてしまうこともあります。そこで多いのが「外壁が傷んでいて大変」「このままだと屋根に穴が空くかも」と危機感をあおる言葉をかけられることです。塗装に関しては素人の立場からいうと、こうした専門的な観点で話されると「塗装をするべきなのか」と思ってしまうものです。

一般的には塗装の費用価格というものは価格感が掴めないものです。平米数あたりの単価が変わることによっても合計価格はだいぶ変わってきます。また、アクリル塗料・ウレタン塗料・シリコン塗料・ラジカル塗料・フッ素塗料・熱塗料など使用塗料別の液タイプによっても見積もり金額はだいぶ異なります。そのため、見積り書をしっかりと確認することは大事なのですが、訪問販売業者の場合にはかなりアバウトな見積金額を提示してくる可能性が大きいです。

見積書サンプルなどを見ると分かりますが、優良業者の見積書を見ると工事内容が詳しく表記されているものです。塗り面積、足場面積などの面積に平米単価をかけた計算式に基づいた金額表示であることが一般的です。そういった見やすくて詳しい見積書は、自身で自宅の坪数を知っていれば納得の金額であることが分かるものです。しかし、訪問販売業者などではアバウトなことが多いです。「工事一式」などと坪単価を表示せず、計算式も無視した金額のこともありますので注意したいところです。

しかも、「今ならモニター価格で施工できる」と見積もりした価格帯よりも大幅に値引きしてくることもあります。モニター料金ということで、一般的な施工事例よりも安いと勧められます。訪問業者は契約を取ろうとして「本日まで」など急がせますので、平均価格をチェックしたり、相場を調べたりする時間はありません。つまり、施工を急ぐあまり最終的には高い金額だった…と後から知り、後悔してしまう可能性もあるのです。

屋根塗装だけだといくら?

lp54よく「料金を安く抑えたいから、とりあえず屋根塗装だけ補修しておく」という方がいますが、実は屋根塗装だけするのはおすすめできません。

というのも、通常の外壁塗装の工事価格の約20%が足場の料金だと言われているからです。外壁塗装・屋根塗装工事に足場の設置は必須ですので、どうせ足場を組むのなら部分的ではなく、外壁も屋根も同時に塗り替える方がお得でしょう。

足場の費用相場は、屋根面積にもよりますが約700~1000円/㎡で養生のメッシュシートが約150円/㎡です。一般的な30坪・2階建ての家ですと、養生を含んだ足場費用だけで約15~20万円ほどです。

屋根塗装の費用相場は約20~40万円です。屋根だけ塗装するとなると、足場代がプラスされて約35~60万円です。

外壁も屋根も定期的にメンテナンスをしなければいけないので、長い目で見ても同時に塗り替えて、塗り替えの時期を合わせる方が良いです。

安くて良い業者を選びたいなら

これだけ価格差がある外壁塗装工事ですから、業者選びでいかに工事費用を安くできるかが決まります。

外壁塗装工事をする際は、複数の業者に見積もりをもらう相見積もりがおすすめです。見積もり価格を比較してより安い業者を選ぶことができますし、一括見積もりサイトを通せば悪徳業者に騙される心配もありません。

一括見積もりサイトで見積もりをとってみると、訪問販売の営業が出した見積もりよりも約180万円安くなったという方もいるようです。まずは一括見積もりをして、業者選びをスタートしましょう。