25坪の家の外壁塗装費用相場を調べる方法を解説!
そろそろ外壁塗装をしたいと考えたとき、どうしても気になるのが塗装費用です。
塗装費用は業者に見積もりを取らなくても、計算方法さえ分かっていれば概算の費用を自分で計算することも可能です。
この記事では、25坪の戸建住宅を外壁塗装すると仮定して、その費用の計算方法を徹底的に解説します。
このページの目次
■外壁塗装費用が決まる流れ
25坪の家の外壁塗装相場価格を計算するためにまず知っておかなければならないのが、施工業者が外壁塗装の工事費用をどのようにして決めているかということです。
外壁塗装費用で行われる工事はどの家でも共通しており、25坪の家も例外ではありません。
つまり、共通して行われる工事の費用相場がわかっていればご自身でおおよその塗装工事費用を求めることができます。
1.外壁塗装費用は複数の工事の合計額
一言で「外壁塗装」といっても、そこには以下のような様々な作業が行われます。
- 工事着工前のあいさつ
- 足場設置工事、飛散防止ネットの貼り付け
- 高圧洗浄
- 高圧洗浄後の乾燥
- 下地調整作業(シーリング工事、ひび割れ補修、ケレン作業など)
- 養生
- 外壁塗装(下塗り・中塗り・上塗り)
- 付帯部分(軒天・破風・雨どい・サッシなどの箇所)の塗装
- 屋根塗装
- 施主立ち合いの完工後確認
- 足場の解体工事
- 清掃
- 引き渡し
- 工事完了後のあいさつ
このように全部で約14の工程が、14~20日かけて行われます。
これらの工事内容には、それぞれ1平方メートルあたりの相場費用が設定されています。
これを「施工単価相場」または「単価相場」と呼び、塗料の場合は「塗料単価相場」と呼ばれます。
作業項目ごとの「施工単価」に対し、作業する面積を乗じることで各作業項目の施工費用を算出できます。
そのようにして求めた全ての作業項目の施工費用を合計すると、その家の外壁塗装の概算費用を求めることができます。
2.外壁塗装の工程と費用相場
外壁塗装に必要な工事が分かったところで、次は施工費用の算出に必要な「施工単価」を紹介します。
施工単価は大きく分けて、「塗装費用」と「塗装以外の費用」に分かれています。
●塗装費用の相場
外壁塗装では、下塗り・中塗り・上塗りの合計3回の重ね塗りが行われます。
下地調整の一環として使われる下塗り用塗料は、外壁の劣化具合や素材で決まるため何が使われるかはほぼ決まっています。
一方、中塗り用塗料と上塗り用塗料は仕上げ塗料になりますので、ここで選んだ塗料が塗装の耐久性を決定します。
仕上げ用塗料は種類によって耐久年数や機能はもちろん、塗料の価格帯も大きく異なります。
例えば、セラミック塗料や光触媒塗料などの特殊塗料は高機能な代わりに平米あたりの単価が高くなります。
しかしアクリル塗料などの価格が安い塗料を使うと、約8年未満で塗替えが必要になってしまいますので費用対効果はあまり高くありません。
以下は、塗料ごとの機能、耐用年数も含めた塗料別費用の相場です。
アクリル塗料
(アクリル系塗料、アクリル樹脂塗料) |
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平米単価相場 | 1,500円~1,800円 |
耐用年数 | 5年~8年 |
特徴 | 低コストだが現在はほぼ使用されない |
ウレタン塗料
(ウレタン系塗料、ウレタン樹脂塗料) |
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平米単価相場 | 1,800円~2,000円 |
耐用年数 | 6年~10年 |
特徴 |
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シリコン塗料
(シリコン系塗料、シリコン樹脂塗料) |
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平米単価相場 | 2,500円~3,500円 |
耐用年数 | 10年~15年 |
特徴 |
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ラジカル塗料
(ラジカル制御型塗料) |
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平米単価相場 | 2,500円~3,500円 |
耐用年数 | 8年~15年 |
特徴 |
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フッ素塗料
(フッ素系塗料、フッ素樹脂塗料) |
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平米単価相場 | 3,500円~4,500円 |
耐用年数 | 15年~20年 |
特徴 | 耐用年数が長く高性能、防水性にも優れているが高コスト |
セラミック塗料 | |
平米単価相場 | 5,200円~6,500円 |
耐用年数 | 10年~15年(ベースとなる樹脂に左右される) |
特徴 | 大理石などを含有した意匠性が高いタイプもある |
光触媒塗料 | |
平米単価相場 | 4,500円~5,000円 |
耐用年数 | 18年~22年 |
特徴 |
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断熱塗料 | |
平米単価相場 | 3,800円~4,800円 |
耐用年数 | 16年~18年 |
特徴 |
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また、塗料には水性塗料と油性塗料(溶剤塗料)の違いがあります。
油性塗料の方が水性塗料よりも施工価格が高くなる傾向にありますが、その分耐久性も高く金属などの素材にも塗装できるなどのメリットがあります。
特徴とメリット・デメリットの違いは以下の通りです。
水性塗料 | |
メリット |
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デメリット |
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油性塗料(溶剤塗料) | |
メリット |
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デメリット |
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また、主な大手塗料メーカーは設計単価(設計価格)をホームページやカタログ上で公開しています。
設計単価とは300平方メートルの塗装にかかる㎡あたりの施工価格ですので、工務店やハウスメーカーから見積もりを取る際に参考にするとよいでしょう。
業者の中には塗料を水で必要以上に薄め、使用する塗料の量を減らして利益を増やそうとする業者もいます。
塗料は家の大きさに対して必要な缶数が決まっており、塗料メーカーも使用量の目安を公開していますが、専門の業者でなければ見抜くことは難しいでしょう。
塗料価格をごまかすような手抜き工事を防ぐためにも、外壁塗装は優良業者に依頼することが賢明です。
●塗装以外の費用の相場
外壁塗装では塗装費用ばかりに注意が向きがちですが、塗装以外の足場工事費用や下地処理費用もしっかり確認しなければなりません。
次は塗装費用以外にかかる作業項目と内容、価格相場を確認しておきましょう。
作業項目 | 平米単価と内容 |
足場工事費用 | 700円~1,000円/㎡
安全かつ高品質の塗装工事に必須。延べ床面積を基準にするものと足場を掛ける面積を基準にする算出方法がある |
高圧洗浄費用 | 120円~300円/㎡
塗布面に付着する汚れ、ほこりなどを高圧洗浄水で除去。洗剤入りだと高単価になる |
下地調整費用 | 1,000円~3,000円/㎡
やすり掛けや補修など。塗装面の劣化がひどいほど高単価になる |
養生費用 | 300円~500円/㎡
シートやネットなどで、高圧洗浄水や塗料の飛散を防ぐ |
塗装費用以外の作業は満足いく外壁塗装をするには欠かせないものばかりですので、相場以内の適正価格で実施しましょう。
見積もり価格が予算よりも高いと感じて、足場代無料と称する業者を利用してしまうと、足場がない分作業効率が落ちて工期が延びるばかりか、足場代が別の項目に上乗せされて結局高くなってしまう恐れがあります。
あるいは、訪問販売を行う悪徳業者などは、利益を少しでも多く取ろうとして、足場の量を減らしたり下地調整の校庭を省いたりすることもあります。
そのほか、明瞭な明細書を出さない悪徳業者は「諸費用一式」など曖昧な見積もりを作って費用をごまかそうとします。
もしこのような見積もりを受け取った場合は項目の詳細を明らかにしてもらうか、別の業者に相談して見積もりを再作成してもらった方がよいでしょう。
■25坪の戸建住宅の塗装面積
25坪の家の相場費用を計算する前に、「坪」について理解しておきましょう。
塗装工事に必要な金額を求めるためには坪数だけでなく「塗装面積(塗り面積)」も必要ですので、そちらを調べる方法も合わせてご紹介します。
1.建物の坪数と延べ床面積の関係
外壁塗装の塗装面積を求める時は「延べ床面積」が必要です。
延べ床面積は建物の坪数を使って求めることができます。
「1坪=3.3平方メートル」ですので、25坪の戸建住宅の延べ床面積を求める計算式は、
3.3平方メートル×25坪=82.5平方メートル
となります。
●外壁塗装では「延べ床面積」を使う
ちなみに、「延べ床面積」に似た言葉で「建築面積」がありますが、両者には違いがあります。
- 延べ床面積…建物の各階の床面積の合計
- 建築面積…建物を真上から見たときの外周で求めた面積
建築面積は主に建物の建ぺい率を求めるときに使われますが、外壁塗装では使用しませんので業者との打ち合わせで間違えないように区別しておきましょう。
2.坪数から塗装面積を計算する方法
次は坪数から外壁塗装の塗装面積を計算する方法をご紹介します。
まず、先ほどのように建物の「坪数」を「延べ床面積」に変換します。
25坪の家であれば延べ床面積は82.5平方メートルです。
この延べ床面積に1.1から1.4までの「係数」を乗じると、建物のおおよその塗装面積を求めることができます。
塗装面積の求め方 |
延べ床面積(㎡)×係数1.1~1.4 |
窓の面積や大きさによって係数は1.1~1.4の間で変動しますが、25坪ほどの建物であれば「1.2」の係数で実測値に近い面積が出ます。
25坪の家であれば計算式は、
82.5平方メートル×1.2=99平方メートル
となり99平方メートルという塗装面積を導き出すことができます。
この塗装面積は窓や玄関ドアなど塗装しない箇所が含まれていませんので、この金額に塗装の施工単価を乗じれば純粋な塗装費用がわかります。
■25坪の家の外壁塗装費用相場
ここまで25坪の家の外壁塗装費用を求めるために必要な、
- 「塗装費用の相場」
- 「塗装費用以外の費用相場」
- 「25坪の家の塗装面積」
をご紹介してきました。
ここからはいよいよ、これらの数字を使って25坪の家の外壁塗装費用の合計金額を計算してみます。
1.塗装以外の費用相場
まずは塗装以外の費用の合計金額を計算してみましょう。
25坪の家であれば、各施工単価に99平方メートルを乗じると以下のような結果が出ます。
作業項目 | 25坪あたりの費用 |
足場設置費用 | 12~15万円
※足場は建物の外周を使って設置面積を計算します。 |
高圧洗浄費用 | 2~3万円 |
下地調整費用 | 10~25万円
※下地調整には様々な種類があり、塗装面積全体に行うわけではありません |
養生費用 | 3~5万円 |
合計 | 27~48万円 |
2.塗装費用の相場
次に塗装費用の合計金額を計算します。
前に紹介した塗装費用の施工単価に、塗装面積99平方メートルを乗じると以下のような結果となります。
塗料の種類 | 25坪あたりの費用 |
アクリル塗料 | 14~18万円 |
ウレタン塗料 | 18~20万円 |
シリコン塗料 | 24~34万円 |
ラジカル塗料 | 25~35万円 |
フッ素塗料 | 34~44万円 |
セラミック塗料 | 44~50万円 |
光触媒塗料 | 49~54万円 |
断熱塗料 | 37~47万円 |
3.外壁塗装の合計費用相場
「1.塗装以外の費用相場」と「2.塗装費用の相場」の合計を、塗料別に出してみましょう。
塗料の種類 | 25坪あたりの合計費用 |
アクリル塗料 | 41~66万円 |
ウレタン塗料 | 45~68万円 |
シリコン塗料 | 51~82万円 |
ラジカル塗料 | 52~83万円 |
フッ素塗料 | 61~92万円 |
セラミック塗料 | 71~98万円 |
光触媒塗料 | 76~102万円 |
断熱塗料 | 64~95万円 |
●高すぎず安すぎない適正価格で工事をしよう
上記はあくまでも目安の相場価格ですので、これより高かったからといって悪い業者になるわけではありません。
ただし上記の相場価格の倍以上になっている場合や300万円もするような高額な外壁塗装はありえませんのでそのような業者は避けましょう。
また、見積書の内訳を見てみると「出精値引き」と書かれて値引きされていることもありますが、多くても数万円程度が適正な値引き額です。
そのほか「足場工事無料」となっている見積もりもありますが、足場費用は戸建て住宅で通常15~20万円するものですので簡単に無料にできるわけがありません。
値引きをして安くするということは何かの工程が省かれている確率が非常に高く危険ですので、安すぎる見積もりにも注意しましょう。
■おわりに
外壁塗装には相場がありますが、使用する塗料や発生した作業の量、建物の延べ床面積などによって費用は大きく異なります。
現地調査をして家の劣化状況を調べ、調査診断所を元に明瞭な見積もりを作ってくれる優良業者であれば、適正価格で工事が行える可能性は高くなります。
今回は25坪住宅の塗装費用の求め方をご紹介しましたが、ご自身で調べた金額だけでなく、複数の業者が作成した見積もりとも比較して適正価格かどうかを調べましょう。