良く聞くガルバリウム鋼板について、詳しく説明していきます。 ガルバリウム鋼板はガルマニウムと間違って言われますが、ガルマニウムではなく、ガルバリウム鋼板です。
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ガルバリウム鋼板って何?
1972年にアメリカのベスレヘム・スチール社が開発したアルミニウムと亜鉛とシリコンの合金めっき銅販です。日本ではガルバと略して使われる事も多いようです。 値段が高めのステンレス鋼板やガルタイト鋼板よりもガルバリウム鋼板を利用するという方も多いようです。 構造としては、中心に鋼板が入っており、その周りに上記のアルミニウム亜鉛合金が包んでいます。それ故、さびにくくなっています。(なぜ錆びないのかはこちら)
ガルバリウム鋼板のメリット
かっこいい(意匠性が高い)
まず私がガルバリウム鋼板を見て思ったのがかっこいい、という事です。このことを考えてガルバリウム鋼板を選ぶ方も多いのではないでしょうか。 メタリック風の壁は、金属製サイディングボードでないと出せない風合いだと思いますし、モルタルなどではこのシャープな感じはなかなか出す事が出来ません。 かといってトタンでは、サビが気になるし、そもそもかっこよくない。ということで、かっこよさ(意匠性)でガルバリウムを選ぶのも充分ありだと思います。
防食性が非常に高い
防食性という言葉は難しいですが、要は腐食しづらいということです。 ガルバリウム鋼板は、鋼板にアルミニウムなどの合金のメッキが施されているので、腐食しづらいのです。 金属に関しての「腐食」という言葉は、もちろん錆も指しますが、化学変化を起こして変質して、金属としての品質が低下する、という事も意味します。 つまり、防食性が高いガルバリウム鋼板は、高い品質を長期間保持できる性質を持っている、ということになります。
ステンレス鋼板などよりも価格が非常に安い
ステンレス鋼板というのは、ニッケルとクロムと鉄による合金の鋼板を指します。 昔、金属サイディングとして使われている時期もありました。非常に防食性が高く、さびづらい非常に有効な鋼板だったのです。 ただ、ステンレス鋼板は非常に高価なものだったので、金銭的な面での問題を抱えていました。これが今はもっと高価になっているために、利用する側としては、ステンレス鋼板は非常に高くなりすぎて使えない、という認識になっています。 その点、ガルバリウム鋼板は非常に安価で、手に入れやすい上に、ステンレス鋼板ほどでは無いにしろ、機能的にも非常に優れているため、よく使われるようになっています。
傷ついても錆びにくい
ガルバリウム鋼板には犠牲防食という機能があります。これは、もし鋼板の表面が傷ついたとしても、鉄よりも亜鉛が先に溶け出すことで、鉄が錆びない、というもので、この機能のおかげで、ガルバリウム鋼板は、錆びにくいと言われています。 ※ただし完全に錆びない、という事ではありません。詳しくはこちら。
熱伝導率が低い(断熱材と組み合わせる)
ガルバリウム鋼板自体は金属なので、熱伝導率は高いです。ですが、それは鋼板のみの話であって、ガルバリウム鋼板は必ず断熱材と一緒に施工するものなので、断熱材の性能にもよってきます。 と外の気温が中に伝わりづらいです。 そのため、冬は暖かく、夏は涼しく快適に過ごせるということです。
軽いので家に負担をかけにくい
ガルバリウム鋼板は非常に軽いです。 これは外壁塗装としては非常に重要な要素で、あまりに重すぎる外壁は家に負担をかけてしまいます。 家に負担をかけると、家の寿命は短くなりますし、大地震などの引き金で、崩れてしまう事もあります。 なので、基本的に外壁は出来るだけ軽い方がよく、ガルバリウム鋼板はその当たりを完全にクリアしていると言えます。
耐用年数が長い
ガルバリウム鋼板を開発したベスレヘム・スチール社によると、海の近くなどの塩害が懸念される地域なら10~15年、それ以外の地域では20年以上と非常に長く利用することが出来ます。 もちろん、定期的にメンテナンスを行ってあげることで寿命は長くなるので、定期的なメンテナンスは怠らないようにしましょう。メンテナンスに関してはこちら
ガルバリウム鋼板のデメリット
一部分だけガルバリウム鋼板、という使い方がしづらい
ガルバリウム鋼板は金属で出来ているので、違う金属とは相性が悪いです。 例えば、釘などが使われている現場では、釘から「もらい錆」という錆がうつる現象が起こってしまいますし、ガルバリウム鋼板と相性が悪い性質を帯びた水などが伝っただけでどんどん劣化して言ってしまいます。 なので、理想としては、一部分だけガルバリウム鋼板にするのではなく、屋根まですべてガルバリウム鋼板にすれば統一感も生まれて、長持ちする家が出来ると思います。
傷がつきやすい(金属全般にいえる)
金属全般にいえることなのですが、ガルバリウム鋼板も特殊なメッキがしてあるものの、元は金属板なので、当然、物理的な傷には弱いです。 また高圧洗浄機などで強く圧をかけてしまうだけでへこんでしまうかもしれないデリケートなものでもあります。 意匠性が高く、かっこいい感じがする金属板ですが、その分、薄く、もろく、デリケートなものだと言うことを忘れないで起きましょう。
防音しないと雨音が聞こえやすい
上記のものと同様で、ガルバリウム鋼板は金属の板を利用しています。 大きなくくり方をすればトタンと同じものです。なので、雨音などはモルタルに比べて大きくしてしまうかもしれません。 もちろん内側の断熱材などによっては、音漏れをある程度防ぐ事が出来るので、こちらも確認をしておきましょう。
一生ものではない
悪い営業トークの一つとして「ガルバリウム鋼板にすれば、一生メンテナンス不要ですよ」とか「一生替える必要がありません」といわれる方が多いようです。 ですが、一生替えなくても良い、なんていう外壁は絶対にあり得ません。ガルバリウム鋼板は、湿気が低く、水はけが良い環境であれば数十年はもつといわれていますが、それでも一生というのは言い過ぎで、そんなに保ちません。 ただ、メンテナンスをしっかり行えば、長く使えるという事は間違えないので、状況に合わせてメンテナンスを行いましょう。
ガルバリウム鋼板を屋根に利用する
瓦やその他の屋根よりも非常に安いので、利用しやすい屋根素材といえます。また軽い材質なので、日本で良く起こる地震対策としても良いです(軽ければ家に負担をかけにくい)。 ガルバリウム鋼板の外壁にした場合、屋根も同じガルバリウム鋼板にすることが望まれます。 一つ目の理由としては、同じ時期に施工すれば、また同じ時期にリフォームやメンテナンスをすることが出来るからです。 特にリフォームする場合、足場などを組んで、大がかりになる可能性が高いです。その時、外壁だけで外壁塗装工事を行い、その何年後かにまた屋根だけ劣化したので、屋根塗装工事を行う、という事になると、結果として、かなり高額な修繕費となってしまうからです。 これは鋼板だけではなく、モルタルなどの外壁にも同じ事がいえます。 二つ目としては、別な種類の金属を利用した場合、接触している場合や、雨水が伝った場合などに、その部分の劣化が早くなってしまうからです。 接触はある程度防ぐ事が出来ますが、雨水が伝うというのはそうそう避けられません。別な材質の屋根を伝った雨水がガルバリウム鋼板にとって相性が悪い性質を帯びている場合、外壁の方に悪影響を及ぼしてしまいます。 ただ、これとは別で、屋根だけガルバリウム鋼板、外壁はモルタルなど別の非金属の材質だった場合は全く気にすることはありません。金属外壁×金属屋根の時だけはこの事を気をつけておきましょう。
ガルバリウム鋼板は錆びる?
上記であげた、材質が異なる金属を使用する場合以外で錆びるのはどういう時でしょうか。確認しておきましょう。 雨に常に当たり続ける所よりも、あまり当たらないところや、高温多湿の環境下では、白錆が発生する可能性があります。 肥料や殺虫剤などがかかった状態で放置すると、鋼板自体も変化してしまう可能性があります。 錆びないためにはどうしたらよいかを下にまとめていますので、確認しておきましょう。
ガルバリウム鋼板のメンテナンス
では、白錆などの錆を発生させないようにするにはどうしたらよいのかと言うと、「たまに水で洗う」という事です。 そもそもなぜ、錆びづらいガルバリウム鋼板が錆びてしまうのかというと、ガルバリウム鋼板の表面に残ってしまった雨水の中の塩分などが長い間、鋼板に作用し続けて出来るからです。 高圧洗浄機などは使う必要はありませんが、バケツに水をくんで、ばしゃっとかけたりすることが必要になってきます。 その他、化学物質がかかってしまわないかも細心の注意を払いましょう。例えば、庭で育てている野菜などの肥料が風に乗って外壁にかかってしまうことや、殺虫スプレーを振りまいてしまった場合などは、その後、かかってしまったなーと思う所を水で軽く流しておきましょう。
ガルバリウム鋼板の製造メーカー
新日鉄住金株式会社 日新製鋼株式会社 株式会社淀川製鋼所 JFE鋼板株式会社