(本ページは2017年2月9日に更新されました)
外装塗装の色は簡単に変えられないため、色選びを失敗したくないと思っている方は多いと思います。
そのため、様々な手段で塗装の色をイメージしてみたいと思われるのではないでしょうか。
その手段の一つに外壁塗装の色をパソコンで確認する「カラーシミュレーション」がありますが、便利な反面、落とし穴もあります。
ぜひ、試してみる前に以下のことを参考にしてみてください。
外壁塗装におけるカラーシミュレーションの種類
一言でカラーシミュレーションと言っても、実は、種類があります。
塗装工事の計画段階に合わせて、ご自身に合った、カラーシミュレーションを選びましょう。
1.あらかじめ用意された家の形で色を選ぶタイプ
最も簡易的なカラーシミュレーションで、インターネットなどで、無料で公開されていて、気軽に試すことができます。
簡易的という理由の一つが、家の形があらかじめ決められた物からしか選ぶことができない点です。
そのWEBサイトにもよりますが、3~8パターン程度の中から形を選びます。
洋風住宅や和風住宅などの家形状や、寄棟、切り妻などの屋根形状など様々なものがあり、自宅の形状から、より近いものを選びます。
そして、決まられている部分の色を選びます。
壁色、屋根色はもちろん選ぶことができますが、雨樋、サッシなどの細かなところは修正できないものもあります。
よって、自宅の形と違うものとなりますので、塗装のイメージの参考程度に考えておくことがよいとよいでしょう。
2.自分の家の写真に、色を入力していくタイプ
比較的、本格的なシミュレーションで、自宅の写真に色を重ねていく為、実際のイメージに近いものになります。
しかし、パソコンでの作業の為、作業に慣れている方でないと、非常に時間がかかります。
3.自分の家を専用ソフトで入力して色を選ぶタイプ
こちらのタイプは塗装業者や施工店、工務店、ハウスメーカーなどの塗装業者に依頼するもので、パソコンで専用ソフトを使い、業者が、客の自宅の形状を入力し、その入力された自宅の形に選んだ塗料のイメージを入力していきます。
業者によっては、その会社の事務所で外壁塗装のカラーシミュレーターを使用し、目の前で選んだ色を入力して確認したりすることもできます。
このように、業者が客のためだけに家の形を入力するため、パターンや色数を制限されたり、時間がかかったりします。
よって、少し好みと違う場合などに何度も作ってくれとはいいづらいですし、塗装の依頼を断りづらくなってしまいます。
このパターンは本格的に塗装がきまり、施工をお願いする業者も確定した場合にお願いすることをおすすめします。
もしくは外壁塗装駆け込み寺など、代わりに業者に断ってくれる一括見積もりサイトを利用するのもよいでしょう。
外壁塗装においてカラーシミュレーションは参考程度にするべき
1.本当の塗料の色には絶対にならない
やはり、シミュレーションは、パソコンで作成されたものなので、実際の外壁塗料の色とは異なります。
また、そのシミュレーションを紙に印刷しても、異なった色に見えます。
私たち人間は、実際の外壁の色が太陽光に照らされて、初めて、色を認識します。
よって、それ以外の人工的な光(蛍光灯や白熱灯などの照明器具)で照らされている、部屋の中や事務所でも異なった色に見えるので注意が必要です。
2.業者さんにお願いする程ではない、初期の段階のみ利用する
最終の塗装色を確定するには、実際に外壁に塗料を塗ってもてもらうことが一番です。
よって、カラーシミュレーションは外壁塗装を検討している段階で、自分の好みの色イメージやスタイル、張り分けの位置を検討したり、ご家族で意見をまとめて方向性の確認をする際に使用しましょう。
ご家庭で気軽に見る程度にとどめておくことがよいでしょう。
3.好みの色には地域の差、男女の差など様々な違いがある
シミュレーションソフトによっては、おすすめの塗装色が掲載されているものもありますが、これは、あくまで全国対応で作られているのです。
日本の南北では、太陽光の降り注ぎ方が違うことで、色の見え方も違います。
そのことから、住んでいる地域に好みの色も影響しているともいわれています。
また、地域の条例によっては、使用できない色柄もありますので、確認が必要です。
ちなみに男女でも、好みの色の色温度に差が出ます。
青や紺、黒は男性がより好み、ピンクや黄色は女性がより好む傾向にあります。
このことを外壁塗装に置き換えると、男性はグレーやブルーの塗装を、女性はベージュやブラウンの塗装を希望したりと異なったものとなります。
以上のことを念頭において使用するようにしましょう。
どのように色決めをするべきか
ではどのようにして色決めをするべきなのでしょうか。
外壁塗装の色は多種多様です。
色は色相、明度、彩度を合わせた色番号で表すことが出来ますが、素人には、気に入った色を正確に表現することは難しいことです。
下記の手順を参考に色選びをおこなってみてください。
1.近隣を散歩するなどでどのような色がよいかを選ぶ
様々な外壁塗装の資料やカラーサンプル集がありますが、前に述べた通り、印刷物やモニターでは色も違って見えますし、大きさも異なります。
やはり、実際の家を見ることがイメージを膨らませるには一番よい方法です。
住宅団地などに行けば、様々な色使いの住宅がありますし、庭の植栽のグリーンとの調和の確認もすることができます。
ぜひ、近隣住宅を散歩するなどして、自分が好きな色使いがベージュ系、グレー系ブラウン系、ブルー系のどれに当たるのかを探してみてください。
2.カラーシミュレーションと色見本帳で好みの色を業者に伝える
業者と色決めをする際に、お客様との間で共通で色やイメージを確認しあえることも必要なことです。
先ほどお伝えした、無料のカラーシミュレーションや、色見本帳で塗装してみたい色を絞り込み、業者との打ち合わせの際にお伝えするとよいでしょう。
塗料メーカーのシミュレーションは、塗装をする方のニーズを反映したメーカー基本色を選んで作られています。
また、色見本帳は、塗料メーカーが施工店に配布しているもので、塗料メーカー標準色のサンプルを見ることができます。
よって、これらのツールの中から色を選ぶことで失敗が避けられ、業者と打ち合わせの際にも塗料の間違いがなく、確認することができます。
3.実際にその色味が塗ってある家を見せてもらう
カラーシミュレーションやカラーサンプル、色見本は面積の広さや光の加減で見え方が違うことがあります。
よって、実際にその色が塗ってある家を見ることで、実物の大きさで見ることができ、太陽光の下で色を見ることができます。
業者さんがこれまでに選んだ色と同じ塗料を施工したことがあるかを確認してみましょう。
好みの色柄があれば、その色と同じものを指定することが、失敗しない方法の一つです。
4.少し大きいサイズの色見本を作ってもらう
実際の塗料を塗った45㎝程度の塗り板見本を業者に用意してもらいましょう。
印刷物や色見本と違い、実際の塗料のため、質感の確認もできます。
また、この板を自宅の外壁に当ててみることで、日向と日陰での色味の違いや時間帯による色味の見え方の違い、天気による色味の違いも確認することができます。
5.実際に家に同じ塗料を塗ってみてもらう
塗装工事が始まる前に決めた色を自宅の壁に塗ってもらいます。
これで、実際の外壁塗装と同じ状態の為、本当の色味が確認できます。
もし、思っている色柄と違っている場合、この時点では、まだ変更が効く可能性があますので、業者さんに相談してみてください。
6.塗料を決める
以上の段階をへて、最終的な塗装色の確定です。
それでもカラーシミュレーションを使いたいなら?
色味自体ではなく全体の張り分けイメージを確認したり、複数のカラーパターンを並べて比較する時には、カラーシミュレーションが効果的です。
その中でも、大手塗料メーカーが作るカラーシミュレーションならある程度信用でき、塗料の指定もしやすいので、失敗を防ぐことが出来ます。
以下に、大手塗料メーカーのWEBサイトを掲載していますので、工事の計画段階や
自宅の形状やシミュレーショパターンに合わせて使ってみてください。
1.SK化研のカラーシミュレーション
http://www.sk-kaken.co.jp/simulation/
特徴
- 家の形状によっては「バルコニー」「玄関廻り」などの豊富な張り分けパターンが選べる
- 塗り壁のパターンも選ぶことができる(質感の指定までできる)
2.日本ペイントのカラーシミュレーション
https://www.hanacole.com/simulation/index.html
特徴
- 「住宅外観から配色」と「自宅写真で配色」が選べる
- 家の形状を選ぶと、塗り替え後のスタイルイメージを選ぶことができ、それに合わせて、おすすめの色のプランが提示される
しかし、それ以外の色は選べない - 家の形に「伝統和風」のパターンがある
- 塗装色の表現に使用している、Hana番号はハナコレクション工法で正確な色が出るように調整されているため、他の塗料や工法では再現ができない場合がある
3.関西ペイントのカラーシミュレーション
http://www.kansai.co.jp/repaint/index.html
特徴
- 外壁塗装色は「日本塗料工業会色見本」と「関西ペイント標準色」から選ぶことができる
- 伝統和風の家形状が選べる
- スタイルに合わせて、ジャンル別おすすめ配色を選ぶことができる