外壁塗装は住宅を守る上で重要な役割を担っています。
外壁塗装は一度行えば永遠に保たれるものではなく、10年~20年に一度は塗装のやり替えを行わないと、雨漏りなどで建物が損傷する原因となります。
そこで、定期的に行わなければならない外壁塗装の費用がどのくらいかかるのかについてご紹介していきたいと思います。
このページの目次
■35坪の家の外壁塗装で費用相場を知ろう
外壁塗装は外壁の面積によって料金が変わってきますが、一般的な大きさの住宅にかかる外壁塗装費用を計算することで、相場をお伝えできればと思います。
1.面積がわかれば外壁塗装の工事費用を予測できる
外壁塗装費用は、「外壁面積」に「㎡あたりの施工単価」を乗じることで算出することができます。
つまり、施工する建物の面積が分かれば、外壁塗装費用を予想することができるのです。
そこで、日本の平均的な住宅の大きさを用いて、外壁塗装に関わる費用の相場を算出してみたいと思います。
2.35坪は戸建て住宅の平均的な大きさ
国土交通省の資料によると、平成25年度の持ち家の平均的な延床面積は全国平均で、122.32㎡で約37坪となっていて、地域別では下記のようになっています。
- 関東臨海地区で97㎡(約30.24坪)
- 東海地方で99㎡(約40.22坪)
- 近畿地方で91㎡(約34.76坪)
地域によって若干の違いはあるものの、35坪の住宅にかかる外壁塗装費用を知る事で、平均的な外壁塗装費用が求めることができます。
■外壁塗装費用の内訳と施工単価
外壁塗装は複数の工事工程によって成り立っていて、それぞれの工程に単価があります。
また、使う材料によっても施工単価は変わってくるので、各々の相場について解説してきたいと思います。
1. 塗装費用の相場
まずは、塗料に関する費用についてですが、塗料にはグレードがあり金額も性能も異なりますので、塗料ごとの金額の相場や特徴についてご紹介致します。
●アクリル塗料
1,500~1,500円/㎡
住宅の外壁に使える塗料の中で最も安価な塗料がアクリル塗料です。
発色がよく手頃な価格で施工できますが、耐用年数5~8年と耐久性が低く長持ちしないので、年々使用されるケースが少なくなってきています。
●ウレタン塗料
1,800~2,200円/㎡
アクリル塗料より高価ですが、耐用年数8~10年と少し長くなっています。
伸びがよく防水性も高いですが、値段の近いシリコン費用の方がコストパフォーマンスに優れているので、少しでも費用を安く抑えたい場合以外はあまりおすすめできません。
ただ、最近はウレタン塗料の中にも耐用年数や断熱性が向上された製品が発売されているので、商品によっては安価で性能の高い塗装が可能です。
●シリコン塗料
2,800~3,100円/㎡
耐用年数10~15年と耐久性に優れ、紫外線のダメージを受けにくい割に価格が手頃なことからコストパフォーマンスに非常に優れた塗料です。
現在の外壁塗装の主流となっていて非常に人気の塗料です。
●フッ素塗料
4,500~5,500円/㎡
シリコン塗料以上の耐久性を持ち、約20年近く長持ちしますが、その分施工価格が高いのが難点です。
資金に余裕がある場合は採用される場合もありますが、コストパフォーマンスに優れているかどうかについては検証が必要です。
2. 塗装以外の作業費用
ここまで塗料の㎡あたりの費用についてご紹介してきましたが、外壁塗装を行う場合は塗料そのものの金額以外にも、塗装をする上で欠かせない工程についての費用も把握しておく必要があります。
そこで、それらの費用相場についてご紹介してきたいと思います。
●足場代
700~1,500円/㎡
建物の周りに作業スペースとなる足場を組むために必要となる費用です。
2階建ての住宅では必須の費用となります。
●高圧洗浄費用
150~200円/㎡
外壁・屋根表面に付着している汚れを高圧洗浄機で除去するための費用です。
高圧洗浄によって表面の汚れを落とさないと、その上から塗装してもすぐに塗料が剥がれてしまいますので、絶対に省くことのできない費用です。
●下地調整費用
1,000~3,000円/㎡
外壁表面のひび割れなどを補修した上で、塗料が剥がれ難い下地を作成する為にかかる費用です。
建物のひび割れは早期に補修しておかないと建物の構造に影響を及ぼす可能性がありますし、塗料が外壁に密着しないと剥がれて雨漏れの原因となるので、下地調整は塗料を塗る前に欠かすことができません。
●養生費用
300円/㎡
窓やベランダなどの塗装しない箇所に、塗料が付着しないようにビニールシートなどで保護する作業にかかる費用です。
養生が上手く出来ていないと、玄関ドア等に塗料が飛び散り見栄えが悪くなりますし、近隣への塗料飛散の原因にもなります。
■35坪の家の塗装面積を調べる方法
外壁塗装の費用は「外壁面積」に「㎡あたりの施工単価」を乗じて求めることができることを最初にご紹介しましたが、これまで「㎡あたりの施工単価」について解説してきました。
これからは日本の平均的な35坪の住宅の「外壁面積」の求め方についてご説明致します。
1.坪数から延べ床面積を求める
まず、坪数を㎡に換算する方法です。
ご自宅の延床面積が㎡で分かる場合はこの項目は省略することができます。
延べ床面積は1坪あたり3.3㎡に換算することができるので、坪数に3.3を乗じることで延床面積を算定することができます。
1坪=3.3㎡
↓
35坪=115.5㎡
↓
35坪の家=115.5㎡
つまり35坪の家とは延床面積が115.5㎡と計算することができます。
ここで、延べ床面積とは建物のすべての床面積のことで、2階建ての住宅であれば1階と2階の床面積を合計したものが延床面積になります。
1階だけの面積ではないのでご注意ください。
2.係数を使って塗装面積を求める
延床面積が算定できると、そこに1.1~1.4の係数を乗じることでおおよその外壁面積を計算することができます。
建物が大きければ大きいほど小さな数字を使った方がより実際に近い塗装面積が出る傾向にありまして、35坪の建物であれば1.2程度の係数を使うことで実態に即した外壁面積を計算することができます。
計算式
延べ床面積×1.1~1.4(係数)
35坪の建物の外壁面積
115.5×1.2=135.6㎡
繰り返しになりますが、外壁塗装の費用は「外壁面積」に「㎡あたりの施工単価」を乗じて求めることができることができます。
35坪の建物の「外壁面積」が135.6㎡と計算できましたので、先程ご紹介した「㎡あたりの施工単価」を乗じることで外壁塗装の費用を予測することができます。
シリコン塗料を塗装した場合の計算は以下のようになります。
- 足場代700~1,500円/㎡×6㎡=約10万円
- 高圧洗浄費用150~200円/㎡×6㎡=約2万円
- 下地調整費用1,000~3,000円/㎡×6㎡=約25万円
- 養生費用300円/㎡×6㎡=約4万円
- シリコン塗料2,800~3,100円/㎡×6㎡=約40万円
- 合計約80万円
ただし係数を使って算出した塗装面積は予測でしかなく、窓の大きさや壁の形、足場の大きさや下地調整作業の量は建物ごとに異なるため、本当の塗装費用は外壁塗装業者に現地調査を依頼し、見積もりを取ることをおすすめします。
■おわりに
日本の住宅は2階建てで35坪程度の延べ床面積が平均となっていて、これを基に外壁費用にかかる費用の相場を知ることが出来ます。
ただし、この計算によって算出されて費用はあくまで相場ですから、本当の塗装費用は業者に依頼して見積もって貰う必要があります。