適正な工事費用を提示する優良業者を見つけるポイントとして、見積もりに記載されている塗料のメーカーや特徴を調べることで、本当に自分の住宅に合った塗料を使用してくれる業者かどうかを判断できます。

 

今回は外壁塗装の塗料メーカーを調べる時のコツや、その他に優良な外壁塗装業者を見分ける基本的なコツについて紹介していきます。

■外壁塗装の塗料は様々なメーカーが販売している

外壁塗装で利用される塗料には、実にさまざまなメーカーのものがあり、外壁塗装の塗料メーカーを分けるとすれば、以下のように分けることができるでしょう。

  • 大手3社の塗料
  • それ以外の塗料

 

塗料メーカーの名前を知っておいたほうが良い理由としては、たとえ同じ素材の塗料でもメーカーによって塗料の特徴が大きく異なる場合があり、塗替えのサイクル(耐久年数)や費用、色などが異なるので、自分に合った塗料を探すためにもメーカーの特徴を知っておくとよいでしょう。

1.塗料を選ぶときはメーカー名に注目

外壁塗装業者から見積もりを取り寄せたら、まずは塗料のメーカー名が記載されているかどうかを確認し、メーカー名が記載されていない場合には、施工業者に必ず問い合わせましょう。

 

そしてメーカー名がわかったら、大手メーカーの塗料なのかそれ以外なのかを確認します。

基本的には、大手メーカーの塗料の方がメリットが多いといわれていますが、決してそれ以外がダメという訳ではありません。

 

また「塗料メーカーが沢山ありすぎて、全部覚えきれない。」と思う人もいるかと思いますが、多く知っているほどいいということではないので、まずは塗装業者から渡された見積もりに記載されている塗料メーカーについて詳しく調べてみることをおすすめします。

 

それでは次項より、このメーカーさえ知っておけばとりあえずは大丈夫といわれる、三大塗料メーカーと呼ばれる3社を紹介していきます。

2.大手メーカーは品揃えが豊富

塗料の中でも三大メーカーと呼ばれているのが、以下の3社です。

  • エスケー化研
  • 関西ペイント
  • 日本ペイント

 

なぜ三大塗料メーカーを覚えておくべきかといえば、ほとんどの塗装業者が三大塗料メーカーを取り扱っているためで、たとえ取り扱いがなかったとしても、ほとんどの業者が三大塗料メーカーの塗料を使っての施工経験があります。

三大塗料メーカーに関しては、販売されている塗料の種類も豊富なため、塗料に関してだけいえばその業者を信頼できますが、塗料が三大塗料メーカーのものだからといって、完全に安心できるわけではありません。

見積もりを依頼した業者が優良業者であるかどうかは、他の作業工程なども入念に確認する必要がありますので油断しないようにしましょう。

 

ちなみに上記で紹介した三大塗料メーカーの他にも、国内には以下のような有名な塗料メーカーがあります。

  • 菊水化学
  • AGCコーテック
  • アステックペイント
  • 水谷ペイント
  • 日本特殊塗料
  • プレミアムペイント

■大手メーカーとそれ以外はどちらが良いのか

先ほども説明したように、塗料メーカーは「大手3社の塗料」と「それ以外の塗料」に大きく分けることができますが、大手3社の塗料とそれ以外の塗料であれば、どちらを利用するのが良いのでしょうか。

ここでは、大手メーカー塗料とそれ以外のメーカー塗料のメリット・デメリットについて詳しく説明していきます。

1.   大手メーカーのメリット・デメリット

●メリット1 人気の塗料や機能性塗料が一通り揃っている

大手メーカー最大のメリットとなるのが、現在の外壁塗装現場で使われている適切な塗料を一通り取り扱っているという点で、シリコン塗料やフッ素塗料などの通常の塗料はもちろん、弾性塗料や伸縮性のある塗料、クリヤー塗料などの機能性塗料に関しても取り扱っています。

 

このように一通りの取り扱いがあるため、外壁塗装の劣化状態に合わせて塗料が選びやすくなっており、施行事例も多いので、塗った後のイメージがつきやすい塗料も多いといえるでしょう。

●メリット2情報が一般に公開されているので安心感がある

大手メーカーの塗料は、情報が一般に公開されているものがほとんどで、そのため業者ではない一般の依頼主側からでも商品名を検索し、ホームページなどで塗料の特徴や価格の目安を調べることができます。

●メリット3仕入れている業者数が比較的多め

大手メーカーの塗料は、使用している施工業者もかなり多く、ほとんどの外壁塗装業者が仕入れをした経験をもち、施工経験も持っているので、「大手メーカーの塗料を使用したことがない」という業者はほとんどなく、どの業者も使い勝手に慣れてることが多く、失敗しにくいという特徴があります。

●大手塗装メーカーのデメリット

大手塗料メーカーの製品自体に致命的なデメリットというものは見当たりませんが、見積もりを出した業者自体に何かしらの問題があり、大手メーカーの名をかたっているだけの悪徳業者が紛れているという危険性ももちろんあるため大手メーカーの塗料が見積もりに記載されているからといって完全に安心してはいけません。

 

見積もりに大手メーカーの塗料が記載されていたとしても100%信頼するのではなく(特に訪問販売業者などの場合)、必ずその塗料について自分なりに調べるようにしましょう。

また見積もりにメーカー名しか記載されていない場合には、必ず塗料名まで記載してもらうようにしてください。

 

万が一、業者の施工内容の説明と使用する塗料の特徴が合わないと感じたら、業者側になぜその塗料を選んだのかを質問し信頼のおける業者かどうかを確認しましょう。

2.   他メーカーのメリット・デメリット

●大手以外の塗装メーカーのメリット

大手以外の塗装メーカーを利用するメリットとしてあげられるのが、大手メーカーが取り扱っていないような特殊な塗料を選べるという点です。

 

大手メーカーでは取り扱いがない商品で有名な塗料としては、以下のようなものがあります。

  • 断熱塗料ガイナ…日進産業が製造・販売する塗料。断熱(熱の移動を抑える)と遮熱(熱い熱をカットする)のほか、防音や消臭などの機能を持ち、塗料自体の耐久性も高い。
  • 光触媒塗料…複数のメーカーが販売しているが大手メーカーは取り扱っていない塗料・紫外線に反応して有機物を分解し、雨水で汚れが落ちやすい外壁を作る塗料。

 

上記で紹介した塗料のうち特にガイナは人気が高く、夏が暑い地域や冬の寒さが厳しい地域をはじめ、多くの業者が取り扱っています。

大手メーカーの塗料は、取り扱っている業者が多いところがメリットですが、大手以外の塗料でも使用する塗料の取扱いに慣れている業者なら特に問題はありません。

●大手以外の塗装メーカーのデメリット

大手以外の塗装メーカーのデメリットとしては、大手メーカーのものと比較して、公開されている情報が少く、公式サイトなどを調べてみても、製品の詳細について大手ほど細かく記載されていないものが多い点です。

日本国外のメーカーの塗料となれば、なおさら情報は少なくなっていくでしょう。

 

また、実際に使用した口コミや評判などの情報も少ないため、安全性や価格相場が調べにくく、さらに施工事例が少ないことも多いので、実際に使用してみた結果などの品質が確かめにくいという点がデメリットとなっています。

■大手でも他メーカーでも塗料は使う職人次第

 

塗装メーカーは、大手の方がメリットは多くなっていますが、大手の塗料を利用しているからといって絶対に安心できる業者だとは限らず、逆に大手以外のメーカー塗料を使っている業者でも、確かな施工をしてくれる業者は沢山います。

 

塗料メーカーを知っておくということは、業者が自分の住宅の外壁に合った塗料を使用しているかどうかの判断材料にしか過ぎません。

塗料メーカーを知っておくことは大切なことですが、実際に塗料を使用する業者を見極めることもとても重要なことです。

 

ここからは、使用する塗料以外にも優良な業者を見極めるコツをいくつか紹介していきます。

1.塗料の性能だけでは塗装は成功しない

先ほども説明した通り、塗料を用いて実際に施工を行うのは塗装業者であるため、どんなに良質な塗料を使用していても、悪質な業者に依頼して手抜き工事をされれば塗料の効果を十分に発揮することができません。

 

優良な業者かどうかを見積もりで見分ける基本的な方法として依頼者側が判断しやすいのが、外壁塗装の作業工程がしっかりしているかどうかを見積書を見て確認することであり、外壁塗装はどの業者でも基本的に塗装前の下処理で以下のような工程を踏んでいくことになります。

  • 足場設置…高所でも安全に作業できるように外壁周りに足場を組む
  • 高圧洗浄…外壁表面の汚れを洗い流し、作業しやすい状態にしておく。その後、乾燥にも一日以上かかる。
  • 下地処理…汚れや異物を手作業で取り除き、ひび割れやシーリングを補修する、必要い応じて屋根なども作業を行う
  • 養生…塗料がはみ出さないようにシートで覆っておく

 

外壁塗装業者が実際に塗装作業を行う前には、これだけの工程を踏むことになるのですが、もしも手抜き業者に依頼して塗装前の作業がおろそかになると、質の悪い塗装になってしまい、塗料の性能を発揮することができず、塗料の持つ耐久年数を迎える前に剥がれるなどの不具合が起こってしまいます。

 

業者から見積もりをとった場合には、上記の工程がしっかり含まれているかどうか、またそれをわかりやすく記載しているか必ず確認するようにしてください。

2.地域密着型の業者ならさらに安心

塗装の下準備の工程をしっかり行うという条件にプラスして、施工実績が豊富な地域密着の業者はその地域独特の気候の特徴や建物の特徴を熟知している場合が多いため、より信頼できる可能性が高くなります。

構造、外壁・屋根材、家の造り、屋内での過ごし方などは、施行地域によって地域性が現れることも多く、他の地域の業者ではわからないこともありますし、地域密着の近所の業者であれば、なにかが起こった時にすぐに駆けつけてくれたり、近くを通った時に様子を見てくれたりする業者もあります。

■おわりに

今回は、外壁塗装の塗料メーカーを調べる時のコツやその他に優良な外壁塗装業者を見分ける基本的なコツについて詳しく説明してきました。

 

外壁塗装に使用する塗料メーカーは、大手3社とそれ以外に分けることができ、それぞれに特徴のある塗料を取り扱っています。

業者から見積もりをとったら、作業工程などと共に、塗料の特徴やメーカーについて詳しく調べ、塗装を依頼する外壁に合ったものなのかどうかを確認するようにしましょう。