外壁は雨風に晒されるため10年に一度は塗装の塗り替えを行わないといけませんが、その際に現状の色のまま塗り替えを行うか、違う色にするかで悩まれる方は多いと思います。
そこで、今回は外壁塗装の色の決め方について紹介していきたいと思います。
このページの目次
■色選びで迷ったときは人気の色を知っておくとよい
外壁塗装は色決めが醍醐味でカラーサンプルを見ていると非常に楽しいですが、今後10年間の家の外壁がその色になると考えると慎重に色を選ばないといけません。
人気の定番色を知ることで、完成後に後悔することもありませんので、まずは他の家がどのような色を採用しているかを知るための術を解説したいと思います。
1.塗料の色の知識を増やす
外壁塗装で使える色というのはある程度決まっていますので、どの色が使えるのかを知っておくことが大切です。
原色の赤や青などの色にすると近隣から苦情が来たり、そもそも条例で使用できない色であったりします。
よく外壁に使われている人気色の傾向を知ることで、自宅の色を決める時もスムーズに選択することができます。
2.自宅の外観と似た家の施工事例を調べる
人気色を知る方法として有効なのが、業者のホームページで施工事例を見る方法です。
その時に、自宅の外壁デザインに似ている写真を探すことで、実際に塗った後のイメージがしやすくなり失敗する可能性も低くなります。
家のデザインによって合う色と合わない色が存在するので、闇雲に好きな色を探すのでは無く、自宅のデザインに似た家で採用されている色の中から自分の好みの色を探すことで、誰でも簡単に自宅のデザインに合った色を選択することが出来るのです。
■おすすめの外壁塗装の人気色
ここからは具体的に人気色について紹介していきたいと思います。
1.白系(ベージュ、ホワイト、アイボリーなど)
まずは定番の白系ですが、この色はどの家の外壁にも馴染みやすく失敗しにくい色であることが最大の特徴で、定番であるが故に時間が経っても飽きがこないという利点があります。
屋根や窓サッシの色、タイルやアクセントとなる色にも合うのが白系の良いところです。
ただし黄色やベージュが一切混ざっていない「真っ白」は、目立ってしまって街に溶け込めない可能性がありますし、汚れも目立ちやすいのであまりおすすめできません。
外壁も屋根も真っ白な家はシンプルモダンな印象になり、真っ黒と真っ白のツートンカラー配色は威圧感のある印象になるので、余程そういった配色にしたいという希望がある場合を除いて避けておいた方が無難です。
2.茶系(ブラウン、ダークブラウン、モカ、ベージュなど)
濃い茶色や薄い茶色も白の次に使いやすく、外観と調和しやすいため人気です。
汚れも目立ちにくく落ち着いた高級感のある雰囲気になりますし、木目調のサイディング材や木の素材と組み合わせるとメリハリのある外観になります。
3.ブルー系(パステルブルー、ネイビーなど)
北欧風デザインの家であればブルー系がおすすめで、ベースカラーを青系、アクセントカラーをホワイト系にすると北欧風に近くなります。
ただし純粋な真っ青はポップな印象になるため、黄色や赤などの色と組み合わせると玩具のようなチープな見た目になってしまう恐れがあるので注意が必要です。
そのためブルー系にするのであればネイビーやパステルブルーなど、真っ青からやや外した青色が望ましいと言えます。
■挑戦する価値ありの人気色・デザイン
ここからは、人気があるものの白や茶色に比べると使い方にコツが必要な「赤系」と、ツートンカラーテクニックについて紹介します。
1.赤系(赤茶、オレンジ、サーモンピンクなど)
真っ赤な色は上級者向けになるので避けておいた方がいいですが、パステルカラータイプの赤系であれば茶色と同じくらい使いやすいです。
特にオレンジやサーモンピンクの外壁は洋風のカントリースタイルにおすすめです。
レンガなど赤系の素材と組み合わせてもよく、白系の色を窓サッシにするとより温かみのある外観になります。
2.ツートンカラーコーディネート
ツートンカラーとは2色で外壁を塗り分けるテクニックのことで、組み合わせた色次第で雰囲気が変わるため注意が必要ですが、色の組み合わせと塗り分ける位置さえ間違えなければそこまで難しいテクニックではありません。
「ベージュ×濃い色」の組み合わせは初心者にもおすすめのツートンカラーですから、はじめてツートンカラーに挑戦される方はこの色を選択することをおすすめします。
ツートンカラーの塗り分ける位置としては、
- 窓サッシの上下左右
- ベランダなど外壁から突き出している部分
- 幕板の上下(幕板とは外壁の1階と2階部分を区切る位置にある装飾用の板のこと。リフォームで後付けも可。)
などが定番で人気があります。
■外壁塗装の色選びで失敗しないためのコツ
ここまで人気の色について紹介してきましたが、色選びで失敗しないための基本的なコツについても紹介していきたいと思います。
1.周囲の景観に合わせて色を選ぶ
自宅の色決めをしていると、ついつい自分の家の色ばかりに注目して周りが見えなくなりますが、周囲の家や公共物、植木などとバランスを取りながら色を選ぶことが大切です。
せっかく人気の色を選んでも周囲の建物から浮いてしまったり、悪目立ちしたりすると奇抜な印象になってしまうので、周りの雰囲気に合わせて自宅の色決めをすると後々トラブルに巻き込まれることも無く安心です。
なお白系や茶系は周囲から浮くことがほぼないため、その点でもおすすめの色になります。
周囲に配慮すべきポイントとしては
- 色が被らないようにする
- 景観条例(建物の色に制限を設けるよう定めたルール)を破らないこと
- 周囲の家と明らかに浮いた、真っ赤や真っ黒などの奇抜なデザインにしない
などが挙げられます。
2.試し塗りや大きな板で色味を確認する
外壁色を決める時のポイントですが、印刷された小さなサンプルだけで色を決めてはいけません。
印刷物はプリンターの性能によって色が変わってしまいますし、小さなサンプルで見た色と実際に大きな外壁に塗った色とでは違った色に見えてしまうからです。
そのため、大きな板に実物の塗料を塗ってもらい屋外の光に当てて見え方を確かめるか、塗装する外壁に実物の塗料を試し塗りしてもらって色味を確かめることをおすすめします。
3.屋根や窓サッシなどエクステリアとの相性も確かめる
外壁色を決める時は屋根や窓サッシ、エクステリアなどとの調和を確かめておくことも大切です。
屋根を外壁より濃い色にしておくと建物の見た目のバランスがよくなり、色同士も調和しやすいです。
窓サッシの枠は外壁の色と相性が悪いと非常に目立ってしまいますし、雨戸や雨樋、破風板や鼻隠しなどが劣化していると外壁だけ塗装しても汚れが目立ってしまうので、これらとの調和も考えて色決めすることが非常に重要になります。
■おわりに
外壁塗装の色決めをする際は、業者のホームページにある施工事例の中から自分の家のデザインに近い家で採用されている色をピックアップして、その中から自宅に塗る色を選ぶと失敗が少なくなります。
外壁塗装は1度工事をしてしまうと10年程度同じ色ですから、周辺環境にもしっかり配慮して選ぶことをおすすめします。