外壁塗装は住宅を雨風から守る重要な役割を担っていて、10年から20年に一度は塗装のやり替えが必要です。
外壁塗装の費用は高額ですので悪徳業者に騙されない為にも、事前に工事費用の相場を知っておくことが大切です。
そこで、60坪の家の外壁塗装相場について紹介していきたいと思います。
このページの目次
■60坪の家の外壁塗装相場
まずは60坪の家の外壁を塗装する際にかかるトータルコストの相場を解説していきます。
1.塗料の種類ごとの相場
外壁塗装の費用は選んだ塗料の種類によって大きく変わるため、塗装工事で使われることの多いシリコン塗料・ラジカル塗料・フッ素塗料を使用する場合の外壁塗装費用相場を紹介していきます。
●シリコン塗料
120~150万円
シリコン塗料は外壁塗装で最も主流の塗料で、30坪程度の住宅であれば70~90万円の費用で済みますが、面積が大きい60坪住宅では100万円を超えてしまうことが通常です。
●ラジカル塗料
140~180万円
ラジカル塗料はシリコン塗料よりもやや耐用年数が長いですが価格も少し高く60坪住宅では200万円近くの費用がかかります。
●フッ素塗料
180~220万円
最もグレードが高いフッ素塗料は、価格が高いため60坪住宅では200万円を超える費用になります。
しかし、耐久性が高いためシリコン塗料に比べると将来的に塗装回数が少なくて済むため、長い目で見ると費用を安く抑えることができます。
2.60坪は平均的な戸建て住宅よりも大きい
そもそも戸建て住宅の平均的な大きさは30~40坪ですから、60坪の住宅は二世帯住宅などの大きな建物で、平均的な住宅にかかる外壁塗装よりも当然高額になります。
無駄な費用をかけないためにも相場価格で確実に施工してくれる優良業者に依頼することが大切です。
■60坪外壁塗装の内訳
次に、60坪住宅の外壁塗装の詳細な内訳について解説していきたいと思います。
1.60坪住宅の作業面積の求め方
60坪の住宅といっても住宅の形状によって外壁の面積が変わるため塗装が必要な部分の面積は変動するのが通常ですが、延床面積からおおよその塗装面積を算定できるので、その面積に塗料の単価を乗じることで費用の概算を計算することができます。
具体的な計算式は以下の通りです。
(坪数×3.3)×係数(1.2~1.4)
・1坪は3.3㎡なので坪数を㎡数に直します。坪数に対し3.3を乗じた数値が建物の延べ床面積となります。
・延べ床面積に対し、1.2~1.4までの係数を乗じると作業面積が算出できます。60坪程度の住宅であれば係数1.2で実測値に近い作業面積となります。
よって60坪住宅は、
60坪×3.3=198㎡(延べ床面積)
198㎡×1.2=237㎡(作業面積)
この作業面積を使って、工事項目ごとの相場を計算することができます。
2.工事項目ごとの相場と合計費用
外壁塗装には様々な工事項目があり、それぞれに相場価格が存在します。
工事項目ごとの金額を合計したものが外壁塗装の総費用になります。
●足場
相場価格:700~1,000円/㎡あたり
60坪住宅の場合:17~24万円
足場は建物周りに鋼材を組み、外壁の高所や屋根で作業を行いやすくするために設置するものです。
足場の周りに飛散防止ネットを張ることで周囲に塗料や粉塵などが飛散しないようにすることが可能です。
●高圧洗浄
相場価格:200円/㎡あたり
60坪住宅の場合:4~5万円
高圧洗浄は外壁表面の汚れを落とし、塗料が密着しやすい状態を作るために行います。
カビやコケがこびりついた外壁の場合は薬剤を使ったバイオ洗浄を行いますが、その場合の価格は㎡あたり500円と高圧洗浄に比べて高額になり60坪住宅であれば約12万円になります。
●下地処理
相場価格:1,000~3,000円/㎡あたり
60坪住宅の場合:23~70万円
下地処理とは塗装を塗る前に外壁や屋根のひび割れ、目地コーキングの補修、鉄部の錆び落とし(ケレン作業)などを行って補修する工程の事を指します。
外壁の劣化状況によって上記の相場価格よりも大きく変動するので自分で計算する時は多めに見積もっておくと後で費用の捻出に困る可能性が下がります。
実際に見積もりが出た時は、金額の根拠を具体的に問い合わせることをお勧めします。
●養生
相場価格:300円/㎡あたり
60坪住宅の場合:7万円
養生とは塗料が施工箇所以外に付着・飛散しないようにビニールシートで覆う作業のことです。
●塗装(シリコン塗料を使用)
相場価格:2,800~3,200円/㎡あたり
60坪住宅の場合:66~75万円
上記の金額はシリコン塗料を選択した場合の価格ですが、ラジカル塗料やフッ素塗料を使えばさらに価格は高くなります。
3.劣化箇所が多いほど補修費用は増える
外壁塗装を行う際は塗装前にひび割れやコーキングの劣化などを補修する作業が必要ですが、これらの劣化が多い家ほど下地補修費用がかさみ総費用も高くなります。
そのため劣化が建物全体に広がる前に補修しておくことが大切で、特に費用が高額になりやすい60坪住宅は早めのメンテナンスがリフォーム費用を抑えるためにも重要です。
■相場が高めな60坪の家は外壁塗装をしっかり済ませておこう
最後に60坪程度の住宅で塗装を行う際の注意点を紹介したいと思います。
1.安い塗料で安価に済ませようとしないこと
60坪住宅の塗装は、シリコン塗料以上のグレードでしっかり塗装しておくことが大切です。アクリル塗料やウレタン塗料、その他成分が不明で質の悪い塗料で塗装してしまうと、すぐに劣化して再塗装が必要になってしまい、足場の設置費用などが塗装回数分かさんでしまうため家のメンテナンスコストが割高になります。
塗装工事は1度してしまえば終わりという工事ではなく定期的に行わないといけないので、目先の費用の安さに囚われることなく、長期的なコストパフォーマンス考慮して塗料を選択することが重要です。
2.大きな家に即した施工管理をしてくれる業者を選ぶこと
大きな家は作業に時間がかかるため、スケジュールの予測や作業量の把握を誤ると当初の予定通りに進まず、職人の判断で無理な工期短縮が行われ、結果として施工不良を招く恐れがあるので施工管理を徹底してくれる優良業者に頼むことが大切です。
■おわりに
60坪程度の住宅は平均的な戸建ての住宅に比べて大きいため費用もその分高額になりますので、しっかりとした計画を練らないと大きな損を被ることになりかねません。
優良業者に依頼することはもちろんですが、ご自身でも相場を把握して適正な金額かどうかの検討をすることが重要です。