戸建て住宅で最も使われている外壁材が、サイディングボードです。

窯業系や金属系などが主流ですが、樹脂系のものや天然の木材を使ったものなども登場しています。

 

どの種類を使っていても、サイディングボードの補修は必ず発生します。

特に、目地部分の補修と塗装の塗替えはできるだけ定期的にやっておかなければ、大規模な外装リフォームに発展する恐れがあるため忘れずに行わなければなりません。

 

この記事では、サイディングボードに必要な補修の種類と、それぞれの施工方法や費用相場などについてご紹介します。

■サイディングボードの目地補修

外壁の素材にサイディングボードを使用している家では、目地の補修が必ず必要になります。

1.サイディングボードの目地が持つ役割

サイディングボードは板状の外壁材です。

板状のサイディングボードを張り合わせることで外壁を保護できるようになりますが、貼り合わせるとどうしても、ボードとボードの間に約1cmの隙間が生じてしまいます。

この隙間部分は「目地」と呼ばれ、外装リフォームでは特に重要な箇所としてチェックされます。

 

サイディングボードの目地にはゴム状のコーキング材(シーリング材)が注入されています。

コーキング材は、サイディングボード同士の隙間から外壁内部に雨水が入らないように防ぐという重要な役割があります。

そのほか、ボードとボードの間に弾力のあるコーキング材を挟むことによって、サイディングボード同士が衝突して負荷がかからないようクッションのような役割も果たしています。

2.コーキング材の補修を怠るとどうなるか

ゴム状のコーキング材は外壁材のような耐久性はなく、紫外線にも弱い素材です。

そのためコーキング材の寿命は3~7年と言われています。

コーキング部分が劣化すると、亀裂が入ったり痩せて小さくなったりして、その隙間から雨水が浸入してしまい本来の防水機能を果たせなくなってしまいます。

 

コーキングの隙間からの漏水を放置すると外壁下地や外壁内部の防水シートが腐食し、酷いケースでは建物の柱や梁まで腐食や錆びが起きる恐れがあり、建物の耐久性が著しく落ちてしまうでしょう。

●外壁塗装のときは必ず目地補修を

本来ならば目地補修だけでも数年に一度は済ませておきたいところですが、なかなか定期的に行うことは難しいかもしれません。

そのため、外壁塗装のタイミングで目地補修も必ずセットで済ませておきましょう。

 

目地自体の補修をしなくても外壁塗装用の塗料でコーキングの亀裂などは埋まりますので、施工直後は一見きれいに仕上がったように見えます。

しかしコーキング自体を補修しなければ塗装をしてもすぐに塗料が剥げてしまいます。

つまり、いくら外壁表面をきれいに塗装しても、目地補修そのものを行わないと塗装の意味が無くなってしまうのです。

 

優良業者はサイディングボードの塗装では必ず目地補修を行います。

見積もりの中に「コーキング補修」「シーリング打ち替え」などの用語が記載されていれば目地の補修は行われます。

ちなみにコーキングとシーリングは施工業者によって呼び方が違うだけで、同じ物を指す言葉です。

見積もりの時点で、目地の補修を行ってくれる優良業者かどうかを見極めておきましょう。

3.目地補修は2種類ある

目地補修の方法は2種類あります。

一つは、今あるコーキングの劣化している部分だけを削り、その上から新しいコーキング材を打つ「増し打ち」です。

そしてもう一つは、古いコーキング材をすべて剥がして新しいコーキング材を打つ「打ち替え」という方法です。

 

それぞれの費用は以下の通りです。

増し打ち 800円/平米
打ち替え 1,000円/平米

どちらの方法が良いかは今のコーキングの状態や予算によって変わります。

しかし目地の耐久性を回復するのであれば打ち替えを選んだ方がはるかに良いでしょう。

■サイディングボード自体の補修

目地だけでなくサイディングボードの本体ももちろん補修が必要です。

サイディングボード本体の補修は劣化具合によって以下の3種類が選ばれます。

  • サイディングボードの塗り替え
  • サイディングボードの部分補修
  • サイディングボードの交換(張替え)

3つ目のサイディングボードの交換は、外壁リフォームの中でも最も高額な方法になります。

交換が必要になるほどサイディングボードを劣化させないためには、塗装工事で表面を保護し、目地まで補修しておくことが大切です。

1.サイディングボードの塗り替え

塗り替えによるサイディングボードの補修は、最も初期の対応になります。

塗膜は外壁材を保護する存在ですので、外壁材そのものが劣化する前に塗り替えておくことで外壁材の耐久性が低下する前に処置することができます。

 

塗り替え費用は使用した塗料のグレードに左右されます。

アクリル塗料 耐用年数:5~8年

施工単価:1,500~1,800円/㎡

ウレタン塗料 耐用年数:8~10年

施工単価:1,800~2,200円/㎡

シリコン塗料 耐用年数:10~15年

施工単価:2,800~3,200円/㎡

ラジカル塗料 耐用年数:12~16年

施工単価:3,200~4,000円/㎡

フッ素塗料 耐用年数:15~20年

施工単価:4,200~5,000円/㎡

グレードが高いフッ素塗料で塗装した場合、40坪程度の戸建て住宅だと90~120万円は予算を見ておかなければなりません。

しかしフッ素塗料は非常に耐久性が高い塗料ですので、約15~20年は長持ちします。

一回の施工費用は高くなってしまいますが、10年で塗替えが必要なウレタン塗料やアクリル塗料に比べると塗装回数は少なく済み、足場代などが何度もかからない分トータルの塗装費用は安く抑えられる可能性があります。

 

5段階のグレードのうち最も選ばれているのは、耐用年数も価格も丁度よいシリコン塗料です。

迷ったときはシリコン塗料で見積もりを取ってみると良いでしょう。

そしてサイディングボードの塗装に使える塗料には、上記の他にも「断熱塗料」や「光触媒塗料」などの機能性塗料もあります。

ですが機能性塗料の耐久性も上記5段階のグレードで決まりますので、まずはどのグレードにするかを決めておくと塗料選びで迷う時間を減らすことができるでしょう。

●サイディングボード塗装の注意点

サイディングボードはひび割れを防ぐ効果を持つ「弾性塗料」で塗装すると、外壁材の熱で塗膜が変形してしまい、施工後すぐに破れや気泡が生じてしまいますので選んではいけません。

 

その他、サイディングボードの模様を潰したくない場合は無色のクリヤー塗料で表面を保護しておく方法もあります。

ただしクリヤー塗料はサイディングボードの色あせや汚れもそのまま透けて見えてしまうという点に注意が必要です。

2.サイディングボードの部分補修

サイディングボードでも何らかの原因でひび割れたり反ったりすることがあります。

●サイディングボードのひび割れ補修

ひび割れ(クラック)が起きたサイディングボードは、割れたパーツだけ交換したり、割れを樹脂材で埋めたりする補修が行われます。

 

ただし、パーツを交換するときは適合する製品が入手できることが条件です。

また、経年劣化による色あせに合わせて新品のパネルを焼いたり塗装したりして調色しなければなりません。

その他にも、割れた箇所が高所にある場合は足場を組む必要があります。

パーツ交換の費用は外壁材のグレードや作業量にもよりますが、足場を組まずに済む場合は10万円前後、足場設置を伴う場合は20~30万円はかかるでしょう。

 

なお、施工業者の技術が低いと、補修箇所から雨漏りが起きてしまう恐れがあります。

ひび割れが広範囲に発生している場合は、建物の耐久性を考慮してサイディングボードの張替えを検討した方が良いかもしれません。

●サイディングボードの反り補修

反りが起きているサイディングボードは、釘などの部材を再固定することで反りが収まることもありますが、大きく反ってしまっている場合は部材そのものの交換が必要です。

3.サイディングボードの交換

サイディングボードを交換する費用は、戸建て住宅一棟あたりおよそ150~220万円と言われます。

サイディングボードの張替えは、サイディングボードが塗装をしても保護できないほど傷んで、反りや割れなどの劣化が広範囲に発生したようなときに行われる最終手段です。

 

高額な張替え費用を発生させないためにも、普段から目地の補修や塗装などの簡単なケアでこまめにメンテナンスを施しておきましょう。

■おわりに

外壁に使われているサイディングボードは、耐用年数が長く施工費用も安いことから、現在戸建て住宅では最も広く普及しています。

しかしそんなサイディングボードでも、定期的な補修が必要という点では他の外壁材と変わりはありません。

 

高額な張替えリフォームに発展してしまう前に、基本の目地補修と塗替えだけでも忘れずに実施し、割れや反りが起きたときはできるだけ早く外装リフォーム会社などの専門家に連絡して初期のうちに補修しておきましょう。