外壁の汚れや劣化が気になり始め、業者に外壁塗装を依頼したいと考えている方は多いと思います。

外壁塗装は家をできるだけ良い状態で保つためにも定期的に行うのが理想です。

しかし外壁塗装業者について調べ始めると、業者が多すぎてどこへ依頼すればいいのかわからないとお困りの方もいるのではないでしょうか。

 

外壁塗装を依頼できる業者を実際に探し始めると、業者の数に驚く方も多いと思います。

また、中には一部の悪質業者によるトラブルなども発生しているのが現状です。

 

今回は優良な業者を選ぶために、それぞれの外壁塗装業者の特徴や業者選びのポイントなどについて詳しく説明していきます。

■外壁塗装を行える業者の候補は様々

外壁塗装を行う業者とひとまとめにはしていますが、実は外壁塗装を行える業者にはさまざまなタイプが存在します。

 

現在のところ、外壁塗装は大きく分けて3つの業者タイプに分けられます。

そしてそれぞれの業者の多くが、良い点のみのアピールしているため、利用者側は「どこに頼めば良いのかわからない。」と迷ってしまうのです。

 

この項目では、3種類の業者のそれぞれのメリット・デメリットを説明した上で、業者が行うアピールがどれも魅力的に見えてしまう理由についても詳しく説明していきます。

1.外壁塗装を依頼できる業者は3種類

上でも説明したように外壁塗装が依頼できる業者は3種類あり、以下のようなタイプに分けられます。

 

  1. 塗装工事のみを専門で行う「塗装専門業者」
  2. 外装・内装などのさまざまなリフォームを依頼できる「リフォーム専門業者」
  3. 家を建てた「ハウスメーカー」

 

どの業者も外壁塗装を依頼できますが、業者としてのタイプが全く異なります。

そのため、特徴やメリット・デメリットも業者のタイプによって大きな違いがあるのです。

 

2.業者ごとに様々なアピールをしていて迷ってしまう

大きく分けて3種類のタイプに分かれる塗装業者ですが、それぞれが各自の方法で顧客取得のための広告活動などを行なっています。

そのため塗装業者を探していると、インターネットのホームページや広告のチラシなどでさまざまな業者を見つけることができるでしょう。

外壁塗装業者にありがちなアピールポイント

しかしそのような広告には、以下のようなたくさんの魅力的なアピールポイントが掲載されています。

  • 地域内満足度ナンバーワン
  • 自社一貫施工で低価格を実現
  • 一級塗装技能士が丁寧に施工
  • 小さな工事でもすぐに駆けつけます
  • 雨漏り補修に自信があります

などです。

 

アピールポイントだけで外壁塗装業者を決めるのは危険

事実として、これらのアピールポイントは塗装業者として非常に魅力的なポイントなのかもしれません。

しかし一般的に塗装の知識がない人にとっては、そのアピールポイントにどのような意味があるのか非常にわかりにくくなっています。

 

そして「なんとなくアピールポイントが多そう」とか「がなんとなくアピールポイントが良さそう」という理由で塗装業者を選んでしまう人もいるのです。

 

アピールポイントを業者選びの一つの理由にすることは、決して悪いことではありません。

しかしこのように良い点ばかりに気を取られていると、契約の時に重大なミスに気がつき、トラブルに巻き込まれてしまう恐れがあります。

 

そのため利用者は、業者がアピールしているどのような点に着目すべきかを知っておくことが大切なのです。

■業者ごとの特徴とメリット・デメリット

ホームページやチラシなどをみていると、それぞれの業者ごとにアピールポイントはさまざまです。

そして、先ほど大きく3種類に分けた業者のタイプによっても、ある程度の特徴やメリット・デメリットをつかむことはできます。

 

ただし、3種類の業者のタイプによって優劣があるわけではありません。

利用者は3種類の業者のタイプの特徴をつかみ、自分にとって最も良い依頼先を見つけることが大切です。

1.塗装専門業者

塗装工事を専門的に行う業者で、左官工などの外壁塗装のみを行なっています。

業者の代表自らが塗装職人を兼ねているというところも多くなっており、営業から施工までを職人が行なっているお店も多くなっています。

●塗装専門業者のメリット

  • 自社に塗装職人が在籍しているため外注業者を介す必要がなく、施工費用が中間マージンで増えることがない
  • 職人が営業から施工までを行ってくれることも多く、実際の施工にあたってのすれ違いが少ない
  • 予算を100%施工に利用できるため質の良い塗装が期待できる
  • 『一級塗装技能士』など塗装の専門資格を持つ職人が在籍していることが多い

など

●塗装専門業者のデメリット

  • 塗装以外のリフォームは別の業者に頼まなければならないことが多い(有資格者がいない)
  • 大手メーカーのように大々的な宣伝を行なっていないため見つけにくい
  • 少数精鋭のお店の場合、予約が取りづらい

2.リフォーム専門業者

リフォーム専門業者とは、住宅のリフォームをメイン業務として行う業者のことです。

住宅全体のリフォームを請け負っていますので、外壁塗装は業務のうちの1つになっています。

 

外壁塗装以外にも、エクステリア工事や内装のリフォーム、水回り機器の交換などさまざまなリフォームを手がけている業者です。

 

外壁塗装以外にも、住宅のリフォーム関係をお願いすることができるという点が最大の特徴です。

●リフォーム専門業者のメリット

  • 塗装以外のリフォームもまとめて依頼できる
  • 大手のリフォーム専門業者の場合、最先端の工事手法や流行の設備などを提案してくれる
  • 外壁や屋根以外の箇所に問題があれば点検してもらえる

●リフォーム専門業者のデメリット

  • 自社に工事部門を持つ所と持たない所がある
  • 中小のリフォーム専門業者の中には、優良な業者と悪質な業者が入り混じっていることが多い
  • 自社スタッフが行えない工事は外注業者が行うため、工事の品質は下請け業者に左右される

3.ハウスメーカー

ハウスメーカーとは大手住宅メーカーのことを指しており、現在の住宅を依頼したメーカーのことです。

部材の設計から施工までがシステム化されていることが多く、住宅の全てを把握しているといっても過言ではありません。

 

そんなハウスメーカーは家を建てるだけではなく、アフター点検として外壁塗装を依頼することができます。

●ハウスメーカーのメリット

  • 新築から手掛けているため家の劣化状況を把握してくれている
  • ハウスメーカーという大手としての実績があるため安心して依頼できる
  • リフォームの履歴を保管してくれるため次のリフォームがスムーズに行える

●ハウスメーカーのデメリット

  • 自社に工事部門を持たないことが多いため工事はほとんど外注業者が行う
  • 外注先が多いため、万が一不備があると、たらい回しになって問題解決に時間がかかる
  • 施工費用がやや高くなる傾向にある(外注費用や広告費などが工事費用に上乗せされることがあるため)
  • メーカーオリジナルの商品を勧められやすい

■よい塗装業者を選ぶための4つのコツ

ここまで3種類の業者タイプの特徴、そしてメリット・デメリットについて紹介してきました。

上でも説明したように3つの業者の優劣はなく、自分に合ったタイプの業者を選ぶということが大切です。

 

それぞれの業者のメリット・デメリットを踏まえて、自分に合う業者タイプを選びます。

業者タイプが決まったら、その中からさらにベストな業者を選ぶポイントについて説明していきます。

1.自社に工事スタッフが在籍している

まず1つめのポイントは、依頼する業者に工事スタッフが在籍しているという点です。

自社に塗装を行うスタッフが在籍しているかどうかは、費用と施工品質を大きく左右するためです。

依頼する業者に工事スタッフが在籍しているかどうかは、依頼する前に業者のホームページなどで必ず確認するようにしましょう。

●下請け業者を介さないため作業内容がブレない

依頼する業者に工事スタッフが在籍しているということは、塗装業で下請け業者を介すことがありません。

下請け業者がいる場合、利用者の依頼内容を実際の工事スタッフに伝えるのは仲介業者です。

そのため利用者が依頼した内容が、業者同士の伝言ゲームになるというリスクが抑えられます。

 

利用者が実際に直接工事する業者に要望を伝えられることにより、高い確率で施工品質を保つことができるのです。

●中間マージンが発生しない

自社に工事スタッフがいる場合には、外壁塗装のみであればどの業者でも自社の中で作業が完結します。

しかし自社に工事スタッフがいない業者の場合には、外注業者に工事を依頼することになります。

 

外注業者を雇うということは外注業者に支払う費用がかかり、さらに利用者が依頼する業者への仲介手数料(マージン)が発生するのです。

そのため自社で工事スタッフを抱えているところよりも、料金がかさんでしまうことになります。

●専門知識を持つ有資格者がいる

依頼する業者に工事スタッフがいることに加えて調べておくと良いのが、スタッフの中に専門知識を持つ有資格者がいるかどうかです。

 

専門知識の有資格とは、たとえば一級塗装技能士やサイディング診断士などの外壁塗装に関する資格のことをいいます。

このような知識を持っているスタッフがいると、現状を確認しよりベストな状態での外壁塗装方法を紹介してくれる可能性があるのです。

 

さらに足場作業主任者や電気工事などの塗装以外の資格を持っているスタッフがいる場合にも、リフォームの幅を広げられる可能性があります。

2.施工実績をホームページに掲載している

業者選び2つめのポイントとなるのが、施工実績をホームページに掲載しているかどうかです。

 

施工実績が掲載されているということは、実際に施工を行なった利用者の満足度を伺うことができます。

そのため、実際の業者の仕事ぶりなどを知ることも可能になるのです。

施工中の写真の掲載があれば工程の確認もできる

さらに施行中の写真などが掲載されていれば、基本的にどの業者でも行うべき外壁塗装の工程がしっかり行われているかどうかを確認することができます。

  • 足場架設
  • 高圧洗浄
  • 下地処理
  • 養生
  • 塗装の3回塗り

などの基本的な工程が行われているかどうかを確認してみましょう。

3.工事保証書を発行してくれる

業者選び3つめのポイントとなるのが、「工事保証」を発行してくれる業者かどうかです。

「工事保証を発行してくれない業者=悪質な業者」というわけではありませんが、発行してくれる業者の方が望ましいでしょう。

工事保証とは

「工事保証」とは、外壁塗装などの工事後のアフターフォローを約束してくれる証明書のようなものです。

塗装工事は工事をして全てが終わりではなく、完成後も工事不良などが起きていないか様子を見守ってもらう必要があります。

しかし工事保証をしてくれない業者の場合、何か不備があっても対応してもらえない可能性があるのです。

保証の内容もしっかり確認する

また「工事保証を発行している」というだけで安心してはいけません。

保証を発行している業者でも、必ず契約の前には保証内容や工事後のアフター点検が含まれているのかをしっかりチェックしましょう。

4.わかりやすい見積もりで丁寧に説明してくれる

業者選び4つめのポイントは、利用者が見てもわかりやすい見積もりであり、施工内容などについて丁寧に説明してくれる点です。

説明の段階で専門用語ばかりを並べ、塗装業に詳しくない利用者にわかりにくい説明しかしないという業者には要注意です。

わざと説明をわかりにくくして、費用を上乗せしている可能性もあるためです。

 

また、見積もりに「その他」などの不明瞭な項目がある場合には、実際にどのような作業をなんのために行うのかを丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。

■おわりに

今回は外壁塗装工事を依頼する業者のタイプや、選び方のポイントなどについて詳しく説明してきました。

外壁塗装業者をいざ探し始めると、業者の多さに困惑してしまう人もいるでしょう。

 

まずは業者の種類をしっかり確認し、それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で、自分の要望に合うタイプの業者を選ぶことが第一歩です。

どのタイプの業者に依頼するかを決めたら、そこから優良な業者を選ぶために、ここで紹介したポイントをクリアしているかどうかをチェックしてみましょう。

 

チラシやインターネットのアピールポイントに左右されず、自分に合った業者を見つけることが大切です。