これから外壁塗装の工事を依頼しようと考えている方の中には、工事期間がどれくらいかかるのか知りたいという方もいますよね。
外壁塗装の工事期間は基本的に10日以上かかることが一般的であり、さらに外壁の状態や気候などさまざまな要因で日数〜数週間程度前後します。
しかし、工期が伸びている原因が不明なのは、依頼側としても不安なところです。
ここでは外壁塗装の工事期間がどれくらいかかるのか、また外壁塗装に必要な作業工程などについて詳しく説明していきます。
このページの目次
■外壁塗装の工事期間はどうやって決まるのか
上でも触れたように、外壁塗装の工事期間は基本的に最低10日以上かかります。
工事が始まる前に工期はおよそ10日と伝えられた場合でも、実際工事が始まると10日以上かかってしまう場合もあります。
これは外壁塗装工事が行われる工程と、天候などの外的環境が大きく期間を左右するためです。
1.外壁塗装では様々な工事が行われる
外壁塗装工事は塗装業者が依頼者の家に訪問し、壁を塗って完了というイメージを持っている方もいるかもしれません。
しかし外壁塗装は10年以上(塗料によっては15年以上)外壁をしっかりと保持するため、依頼者と業者との入念な打ち合わせを重ねた上で行われる慎重な工事です。
また作業工程に関しても、足場を組んだり高圧洗浄が行われたり塗装に入る前の段階でもさまざまな工程を踏んでいく必要があります。
1つの工程が最低1日以上かかるため、それぞれの工程を合計していくと結果的に10日以上の日数が必要になるのです。
2.工事期間は変動する
外壁塗装の工事期間は、必ずしも工事前に伝えられた日数で完了するとは限りません。
外壁塗装は屋外での作業になるため、室内の作業よりも天候や季節などに期間が左右されてしまう性質があるためです。
●天候(風、雨、気温)
天候が外壁塗装の工事期間に影響を及ぼすことは、よくあることです。
たとえば、風の強い日は高所である足場での作業が行えなくなるばかりか、汚れが土や風に乗って塗装面に付着してしまうリスクがあります。
その結果、塗膜が脆弱化し塗装が長く持たない恐れがあるのです。
また雨が塗料の硬化を阻害する原因になるため、雨が降ると作業が行えず工期遅延の原因になることもあります。
さらに気温は塗料のノビに大きく影響を及ぼすため、ノビが悪くなればそれだけ作業に時間がかかり、工期も延長してしまう可能性があるのです。
その他にも気温が5℃以下になってしまうと、塗料自体を利用することができなくなるので、気温が上昇する季節まで工事がストップする可能性もあります。
●季節
天候に左右される以上に、季節の違いも工事期間を延長させる原因となります。
上でも説明したように、気温が5℃以下になれば作業できないということを考えると気温が極端に低く積雪量なども多い東北や北海道に関しては、雪や気温が原因で工事自体がワンシーズン行えないという可能性も高くなります。
また雨や風も工期に影響を及ぼしますので、梅雨時期や台風の多い時期も工期が延長しやすい季節といえるでしょう。
●地域
地域によって、同じ季節でも工事の行える場所と行えない場所があります。
天候や季節なども深く関係することですが、たとえ同じ日本国内であっても地域ごとの気候の特徴が工事期間に影響する場合があるのです。
それでは、どのようなエリアで工期の延長が起こりやすいのかを、次項にて具体的にみていきましょう。
3.外壁塗装が長くなるエリアに注意
●沖縄・九州・四国エリアなど
沖縄・九州・四国などの一部エリアでは、他の地域に比べ台風が接近しやすいという特徴があるため、秋に外壁塗装を行うと工事期間が長くなる傾向があります。
これは高所の足場作業が強風のため行えなくなったり、汚れが風に乗って塗装面に付着したりする恐れがあるためです。
さらに台風時には足場のシートが強風で煽られ、足場自体が隣家に倒れたり電線を断線したりする恐れがあります。
そのため台風が接近したら、足場の倒壊を強風の負担を軽減するために一旦足場のシートを畳み金具の留め具合などの再確認を行うため作業を中断する必要があり、工期が延長になりやすいのです。
●北海道・東北・日本海側エリアなど
北海道・東北・日本海側の一部地域などでは、冬は積雪により足場が設置できなくなったり作業自体が行えなかったりすることから、工事が延長になりやすい傾向があります。
またこのようなエリアの業者の中には、12〜2月中は寒冷地域では営業や工事を行わず、温暖な地域での営業に切り替えるところもります。
そもそも工事自体が冬に行えないという場合もあるので、寒冷地や雪の多いエリアの方は依頼前に、工事が行えない時期があるかどうかを業者に確認しておく必要があります。
■外壁塗装における工事項目ごとの工事期間
それでは次に、外壁塗装の工程や期間を具体的にみていきましょう。
それぞれの期間は、天候や作業員の人数、建物の規模などによっても変動しますので、目安として参照してください。
1.足場仮設
約1日
作業を行うための足場を設置していく工程です、足場の材料を運び入れて外壁の周りに足場を組んでいきます。
さらに、塗料の飛散を防ぐためのメッシュシート貼りなどもこの工程で行われます。
2.高圧洗浄
約2日(洗浄1日、乾燥1日)
外壁のほこりや塗料の劣化によって発生する粉を落とすために、圧力の高い水を壁に噴射して汚れを落としていく作業です。
高圧洗浄のあとには乾燥期間を最低でも1日設ける必要があり、すぐに次の工程に入ることはできません。
万が一乾燥していない濡れた壁に塗料を塗ってしまうと、塗料が硬化不良を起こし、時間が経過しても塗料が乾かない可能性があります。
3.下地調整
約1~2日
高圧洗浄である程度の汚れを落とし、しっかり乾燥させた後は、下地調整を行います。
下地調整とは、外壁のひび割れを補修したり古い塗膜の剥離をおこなったりなど、塗装前に外壁の表面を綺麗に処理する工程のことです。
下地の劣化が激しいほど、下地処理に時間がかかりますので工期は長くなります。
4.養生
約1日
塗装を行う壁に設置されている窓や壁付近の室外機、植木、車など塗料で汚れそうな場所をビニールのシートで覆い、塗料が付着しないように保護する作業です。
養生を貼る作業自体は1日程度ですが、塗装が終わるまでは養生された状態が続きます。
5.塗装
約6~9日
全ての下準備が整ったら、いよいよ塗装が始まります。
塗装は一度塗って終わりということはなく、下塗り・中塗り・上塗りと3度塗りを行い、それぞれに各1日程度の時間がかかります。
また塗装を乾燥させる期間がそれぞれ1日ほどかかるため、スムーズに工程が行われても最低6日、屋根も含めると8日、さらに付帯部の塗装があればプラス1日ほどかかります。
ただし、作業の状況や天候、気温などによっても作業期間は大きく変動しおよそ2週間ほどかかることもありますので、あくまでも最低工事期間であると考えておきましょう。
6.片付け
約1日
塗装工程が全て完了すれば、片付けに入ります。
養生を剥がしたり、足場の解体や撤去を行なったり、現場を元の状態に戻して完了です。
ただし、工事完了後に不備や付帯部の塗装作業などの抜けが見つかった場合には後片付けには移行できないため、工事が延長になる可能性もあります。
■工事以外の期間も外壁塗装期間と考えよう
ここまで外壁工事の具体的な期間について説明してきましたが、実際に工事を行う期間だけが外壁塗装期間ではありません。
工事期間の前後にも、依頼者と業者との打ち合わせや点検などの工程があり、依頼者はこのような期間も含めスケジュールを組んでいく必要があります。
1.工事前後の期間もやることがある
実際の工事が始まる前には見積もりや業者との打ち合わせ、また工事完了後にはアフター点検の立ち会いなど、工事前後にもやることは多くなります。
外壁や屋根の耐久性を高める大切な期間ですので、この期間も入念にやることをこなしていくことが大切です。
●見積もり作成のための現地調査が必要
1日(時間は約30分から2時間)
外壁工事を始める前には、実際に工事を行う建物の現状を業者に確認してもらう必要があります。
建物の劣化状態や大きさ、規模に見合った詳細な工事プランや見積もりを作るためにも、現地調査は厳密に行なってもらう必要があるのです。
●打ち合わせにこそ時間をかけよう
現地調査が終わると、実際に依頼者と業者との打ち合わせに入ります。
使用する塗料の種類や色、どのような足場を利用するのか、また工事期間中の生活や工事期間など、わからないことがあれば業者に質問するようにしましょう。
依頼者が工事に不安のない状態で正式に依頼ができるように、些細なことでも積極的に質問しておくのがおすすめです。
2.工事を長引かせないためには早めの業者選びが肝心
また、見積もりや打ち合わせ以前の問題になりますが、工事をスムーズに行うために早めの業者選びも重要です。
業者選びに手間取ってしまうと、外壁塗装が完了するまでに時間がかかってしまいます。
さらに気候や季節的な要因が重なることで、工事完了までに1ヶ月以上の時間がかかってしまうこともあるのです。
外壁のことが気になり始めたら、普段から業者をリサーチしておくことでスムーズに依頼でき、工事に入れるメリットがあります。
■おわりに
外壁塗装の工事期間は決して1日2日で終わるようなものではありません。
工事自体が最低でも10日以上はかかり、前後の打ち合わせなども含めると数週間の時間がかかるものです。
工事を依頼してから最短で工事を完了させるためにも、普段から優良業者をネット情報や口コミからリサーチし、スムーズに依頼が出せるようにしておくことが大切です。
自分の満足のいく仕上がりになるように、普段からの準備を心がけましょう。